第5回篠山市ふるさと俳句会

平成28年6月募集「ふるさと俳句」は季語を新茶、雨蛙と致しましたところ多くの投句をいただきました。皆様の熱意とご協力を心から厚くお礼申し上げます。今回も佳句が多く見事な作品ばかりでしたが、協会理事の全員が慎重に選をさせていただき入選句を決定致しました。篠山市は「デカンショ節」に唄い継ぐふるさとの記憶として日本遺産に認定、又、「ユネスコ創造都市ネットワーク」に加盟となり益々注目の丹波篠山になりました。今年は丁度、文化遺産の中でも知的遺産として継承すべき江戸後期の俳聖・西尾武陵の生誕250年に当たり、その遺産継承と顕彰のための「俳句ラリー」を来る10月2日(日)に行ないます。(生誕の市内大山生家前・神田荘にて)
別途ご案内いたしますが、是非投句を通じてさらに交流を深め発展させていきたいと存じます。皆様の引き続きのお引き立てをお願い申し上げます。≪篠山市俳句協会≫

【最優秀句】 
飛石の歩幅狂はす雨蛙 (粟野雪江) 篠山市小立

『優秀句』
新茶売る丹波訛りの計り売り (酒井美代子)篠山市南矢代
石一つ置いて地の神雨蛙 (尾嶋八重子)篠山市東吹
忙しきことも生涯新茶くむ (山鳥照美)篠山市川原
雨蛙野良着の似合ふ嫁となる (杉原美智子)篠山市西新町
ゆれる葉になりきってをり青蛙 (吉井啓子)川西市
さみどりは古里の色新茶汲む (涌羅由美)神戸市
ひとときを白寿の母に新茶くむ (富田昌子)篠山市本明谷
雨粒に座り直すや雨蛙 (村上紀子)篠山市住吉台
古民家の梁艶やかや新茶の香 (濱野有希子)西宮市

《入選句》
雨蛙岩に移りて岩の色 (下坂淑峰)篠山市山内町
雨蛙両手に包む児の笑顔 (山本芳子)篠山市和田
里山は母のふところ雨蛙 (古野由美子)京田辺市
健やかな老願ひつつ新茶汲む (久下冨美子)篠山市下板井
朝の日を返す新茶の色を摘む (西川とし子)篠山市南矢代
節くれのそっと差し出す新茶かな (大槻蓉子)篠山市大沢
針ほどの葉のひらきゆく新茶淹れ (酒井秀次)篠山市南矢代
一杯の新茶で和む見合席 (足立恵美子)篠山市安口
揺るる葉にまぶたの重き雨蛙 (小高麻里)丹波市
雨蛙飛び出し園児列乱す (小山八千代)篠山市東岡屋

平成28年7月吉日

【主催】篠山市俳句協会