今日は朝からまた暑い日差しを受け、高い気温の中高円宮杯予選が北条中さんで行われました。
全員参加で一緒になってメンバーのがんばりをそれぞれの立場からサポートしようという事で試合に出れる、出れないはありましたが全員でがんばろうと思っていました。メンバーは20名しか登録出来なかったので、そのメンバーでスタメンをまずは決めてもらいました。自分は少し決めるミーティングの際に疑問に感じた事だけはアドバイスという形でさせてもらいましたが、3年生が『本当に自分達の最後の大会なんだ』という自覚がちょっと薄かったかな〜って思います。でも、それが現状だし今日だけで改善されるものではないし、今日は今日のベストを自分達で思った形で組むしかないと思っていました。
納得いく、いかないが出てしまうと試合自体が壊れてしまうのでどういう形であろうと、誰が出ようとも納得してからみんなが送り出せるようにだけはしようよ、って事で話をしました。そこからはチームで話し合ってきちんと決めてくれたと思います。
長いファルコの歴史の中でも主将が出れないのは今回が初めてでした・・・。
でも、それはこのメンバーが変わる為には必然的なことだったと思っているし、その事すらも前向きに考えるようになった3年生は自分達で踏ん張るようになった。主将の分まで副主将がみんなをまとめ、自分を奮い立たせてくれた事を見ても、決して無駄でも、マイナスでもなかったんだと思います。ベンチから見守らないといけない主将の気持ちは誰よりも辛かっただろうし、そんな姿も目の前で見ているスタメンはその思いも背負ってがんばろう!!と送り出しました。
文字通り一つになれるかどうか?
ベンチも、ベンチ外のメンバーも、スタッフ、保護者も・・・・。
暑い戦いのキックオフでした!!
序盤はやっぱり硬さが見えたし、グランドも4試合目にもなれば状態は良くもありませんでした。
そこへ勢いを持って飛び込んで来られると『はじき返す』というよりも『受けてしまった』事により、先手を相手に取られる流れになってしまいました。それでも、そういう中でみんなは少しずつペースを上げていくタイプ。最初からやれると一番良いとどうしても思ってしまうものですが、そんな大人の期待の通りに物事が進むほうが少ないし、みんなはそうやってペースを作っていくタイプであればそれでやっていくしかないのです。自分も『変える』ではなく『応援をする』気持ちでしっかりと声を掛けていくようにしました。
中では『どうしても勝ちたい』という思いから仲間への否定の声も出てきたりしました。うまくいかないストレスももちろん分かるのですが、それを仲間へぶつけるのではなくやっぱり前向きにしないといけないって事をハーフタイムに伝えました。勝利を目指すのはもちろんだけど、ファルコとしてやってきた事、今日もそれをやり続ける事を変えてはいけないと言いました。
後半は本当にみんなの覚悟に『開き直って』というのが加わり、危ないシーンよりもチャンスのほうが増えました。相手ゴールへ迫ろうとする迫力もあったし、みんなの雰囲気も少しずつ変化していきました。
残念ながらスタメンに入れなかった3年生達には後半に面談し、今の思いを聞き出しました。どうしたいのか?どうするべきなのか?をそれぞれに聞いた上でこの試合は3年生全員を出す事を優先しました。覚悟を決めて入ってくれた3年生はプレーからも気迫が伝わってきたし、流れも途切れずにみんなが精一杯がんばりました。
ゴールが遠く、シュートが決まらない中時間だけはどんどん進んでいきました。
残り3分・・・
『どうしようか?田中?どうすれば自分がこの状況で納得出来る?』
という言葉を掛けると『出ていいですか?』と本人の言葉が出てきたのでプレーは到底まともに出来ないような状況(一ヶ月以上練習をしていないので・・・)の中でついにみんなと同じピッチに立ちました。ほんの数分でしたが、みんなも主将を最後にピッチに迎えられたのは良かったと思います。
残念ながら試合は敗戦し、この大会で3年生は終わりだったので夏休みの活動は続けますがそこで引退という形になってしまいました。
本当に悔しい気持ちがいっぱいでしたし、どうにかしたい、させたい思いもずっとずっとありました。でも、自分が口出ししてしまうとここまで積み上げてきたみんなのがんばりを崩してしまう事になるという葛藤と戦いながら本当に我慢をして見守りました。この3年生の為に涙を流してくれたり、体を張ってくれた1,2年生達の存在も見るとやっぱりこのチームが好きだと改めて思いました。
自分はこのファルコと、このメンバーが本当に大好きだと再確認出来ました。この夏休みの毎日が楽しくて、一緒にいる時間が楽しみで、うまくいかない時間を一緒に葛藤しながら向き合っていく日々と、少しずつ変化していくみんなとの時間が最高に楽しかったです。こういう結果を受けると遠征が随分前に思えるぐらいに、何か懐かしさすら感じてしまう思いです。この3年生はファルコ入会時には『このチームが勝てる相手はいないのでは???』と思うぐらいに失礼だけど、まともではありませんでした。自分の事しか考えない、出来ない、あのみんなが今ではこうして1,2年生に応援されるチームに成長したのです。勝てるチームにも成長しました。勝ちたいと思える気持ちも育ちました。自分達のチームになった昨年の9月に『応援されるチームになりたい』と言っていたみんなはそういうチームになれたと思います。今年は違う学年であっても保護者の方々が多く応援に参加をしてくださいました。
みんなこの大会『笑顔で終える』事を目標にしていました。敗戦後はやっぱり暗い雰囲気も出ていましたが、ちゃんと気持ちを整理し、みんなで笑顔で解散出来ました。
やっぱり指導者という仕事は難しいけど、最高に素晴らしい仕事だと思えました。勝ちたくても、勝たせてやりたくても、思う通りにいかない事ばかりです。でも、一つ一つ起きていく問題や課題を、丁寧に、一人ずつと顔と顔を合わせて向き合っていく事をやっていくとうまくいかなくてもがんばろうとしてくれるものです。そういう前向きになれる選手をこれからも一人でも多く増やせるように、そしてファルコで良かったと入ってくれた選手が思ってくれるように体が動かなくなるまで指導者という現場でがんばり続けたいと思います。
本当によくがんばってくれました!3年生のみんな本当にありがとう!!
そして、ファルコの活動をずっと見守りながら大声援を送ってくださった保護者の方々、本当にありがとうございました!残りの活動期間もどうかよろしくお願いいたします。