2016年7月30日(土) 「人間とは何か」というテーマで、哲学カフェを開催しました。
・場所:千里文化センター「コラボ」 2階第4講座室
・参加者:15名
・主催者側(加福氏)よりテーマについて、頭脳は人工知能に、身体は人工物に置換瀬れる時代、本来の人間とは何かを考えて見たいという主旨説明があった。実行委員・カフェフィロ(赤井氏)の進行で議論を開始した。
(お断り)ロボットやAIに関する参加者の理解の差があり、認識がそれ気味の意見も記載した反面、興味のある発言も紙幅の関係上割愛した点お断りします。
『主な発言』
○【ロボットやAIは所詮人が創ったものだが、対抗できない危惧も感じる】
・人間とは、最高の頭脳をもった生物である。
・ロボットもAIも人間が創ったものであり、将棋、囲碁の高段者が負けたが、所詮機械である。人間がプログラミングしたものだ。
・落語を演じる桂米朝のロボットの噺が受けたということを聞いたが、本当に受けたのか怪しい。落語家の噺は間が大切だが、ロボットは間を取ることができないから。ロボットは咄嗟の判断やアドリブができないはずだ。
・AIが作った絵や小説でも感動するが、現時点ではあらすじは人間をつくっている。
・大学で落語の講座を受けた。同じことを聞いても自分と学生とは受けるところが違う。世代や文化が違っているからだろうか。
・人には寿命という限界もある。人は喜びや悲しみを感じつつ生き、やがて寿命を迎え死ぬ。AIのように寿命のないものと比較すること自体考えられない。
・AIが作った音楽も小説にも良かったとか、面白いと感じる。AIの作品に感動するのも、いいなあと思うのも人間である。
・戦争では、武器を使って人が人を殺す。ロボットはロボットの意思で戦争するだろうか。
○【人間は考えるだけでなく、感性を持つ“葦”だ】
・パスカルは「人間は考える葦である」と言った。AIとの違いは感性の有無だと思う。
・ゴッホの絵は生前売れなかった。ゴッホはなぜ売れもしない絵を描いたのだろう。突き上げる感情、感動がゴッホの心を動かしたのだろう。
・何故人間が存在するのかを考えるのは、人間しかいない。
・人間は物理や数学の法則を発見した。人間は既成概念を超えるものを考え出せる。
・人間の心の代わりをAIはできない。男と女の区別はなく、AI同士であのAIと恋愛したいとか、結婚してあのAIの子をつくりたいと考え行動するだろうか。
・ロボットの方が上になってしまう。人間の仕事が奪われ人間が脅かされるが危惧もある。
・AIが作った絵や小説でも感動するが、現時点ではあらすじは人間をつくっている。
○【AIは人間の創作活動にも肉薄してきた】
・ディープラーニングで限りなく人に肉薄し、人間を越え囲碁も将棋も高段のプロに勝った。
・ロボットが描いたレンブラントの作品は、構図、色調、筆遣いまでそっくりで、鑑定士も贋作と鑑定できないレベルであるとの記事を読んだ。
・人間は相手の気持ちや情緒が分かり、先を見越せる能力がある。ロボットも将来、人間の心の動きや感性を読み取ることができるようになるだろう。
○【ファジーさがあるのが人間】
・おろかで、気まぐれで、欠陥があるのが人間。
・人間は、メディアや 他の人の影響を受けるものである。
・AIは宝くじを買うだろうか。ばかばかしいことをするのが人間かもしれない。
・人間の中には機械が好きで、ロボット犬に癒される人もいるし、人間嫌いな人もいる。
・動物と比較すると、自殺するのは人間だけである。AIは自殺しようと考えるだろうか。
・人間のように動物も夢を見るのだろうか。AIが夢を見るようになるとどうなるのだろう。
・母に叱られた時の対応や感情、そして欲望に対し自分が我慢しているとき、人間らしいと思う。
・人間は社会の中でしか生きられないが、属する社会からストレスも受ける矛盾を持ちつつ生きている。
AIは孤独でも存在しつづけられる。ストレスを感じるだろうか。
・人間は使命感や目的をもって数十年間生きる。その生きている時代に応じて、できることを成し遂げてゆく存在である。
○【投稿者の感想】
・今回のテーマ「人間とは何か」は、将来を見通せない中での難しいテーマだったが、興味ある議論となった。
・ロボットやAIに真正面からぶつかれば負けを意識せざるを得ない。人間の優秀さを誇るのではなく、間違ったり、欠点があるのが人間なのだとの認識を持たざるを得ない。
・AIの発達によって、自然環境や社会環境がどう変化していくのか。発達したAI自体が引き金となって、最も人間らしいと思われる思考活動、パラダイムシフトの誘因になるのではないだろうか。
・AIの発達は、より良い社会の実現を目指し、自分たちを含め人類がAIにどのように対応していくのか。これからもますます考えなければならないテーマの一つである。
次回開催 10月29日(土)、テーマ未定。
文責 千里文化センター実行委員会 鈴木・濱崎
以 上