今日は朝から体育祭が土曜日に行われた学校メンバーの1,2年生で防災を借りて一日練習会を行う事が出来ました。

最高の芝生の環境の中で、自分達だけで貸し切って出来るという恵まれた中、みんなの今日という日がまた何かプラスになれば、と思い早朝からの運転にはなりましたが、かわいい教え子の為に(笑)、今日も元気にがんばりました!!

ある程度のプランは考えていたのですが、それ以上に『今日起こる事に対しての考え方を考える』ほうが自分のやりたい事ではありました。現状を変える、その現状がどういうもので、自分の何を?具体的に変えていくのか?というものを知り得るヒントになればいいな、というぐらいでした。今まではどうしても、こういう時間があると『何かを植え付けないと!』みたいな気持ちに自身が焦ってしまっていたのですが、体育祭でみんなががんばっている間は自分は高校サッカーを観る日々を過ごし、その卒業生の姿を観る事で余計に『今焦ってはいけない』と再確認出来ました。今この目の前の選手達には『選択を急がない』ようにしたいと思うのです。サッカーで言えば、最短でゴールを目指そうとすぐに相手の裏ばかりに蹴り込んでしまうようなサッカー。それを植え付けてしまうと『それ以外は出来なくなる』のです・・・。近辺の高校サッカーも、勝利という結果を目指す事もあり、どうしても蹴り込むのが主体のサッカーになっていました。。。それを否定するという事ではなく、『同じ蹴り込むにしても』自分の中の意思や意図、明確なものがある状態で出来るようにしてほしいという話はみんなにしました。

自分で判断をする、考える、って今までも、ファルコとしてもずっとテーマみたいにはやってきたのですが、どこか曖昧になってしまう部分ってあって、それを今は細かく埋めていくような事が少しずつ出来るようになっています。

数年前の自分からは考えられない『ほったらかし』が出来るようになってきました。あまり言葉としては適切ではないと思います。預けてくださる保護者の方々へは失礼な言葉にも聞こえるかも知れませんが、この目の前の子供達に一番足りない力というのが『自分で何かをする』事なのです。それがハッキリしています。不都合があれば、誰かに助けられてきているからこそ、自分から何かをリスクを負ってしようとも思わずに助けを先に求める習慣がついているのです・・・。それは本当に今後においては怖い習慣だとも言えるのです。自分で選択すべき事まで他人の力を借り、借りるだけならまだしも、うまくいかなければその相手のせいにしてしまうという悪循環。

だからこそ、今必要な『ほったらかし』をするのです。構い過ぎない。関わり過ぎない。でも、ここにいる事で子供の力にはなれる。そういう存在でないといけない。

今日も子供達には『どうか周りの空気を感じてほしい』という話をしました。

そして、それは同時に自分への言葉でもあります。選手の持っている空気、考えをきちんと引き出せる、感じられる大人でないといけないのです。そうならないと指導者は務まらないのです。憶測だけで考えるのではなく、確かな理解をしないといけません。今日は、一緒に長く居られた事もあり、子供の持っている良い内面を多く見れました。自分が引き出せない力を子供同士で引き出し合える力を見せてもらいました。

午前中は、リフティング、ドリブルをみっちりやりながら細かい要点なども伝えていきました。触る、蹴るという感覚を越えて『こねる、撫でる』というような触り方を覚えるように、と。リフティングに関しては興味が増えてきたので、教え合ったり、聞いたり、学んだりするようになってきているので、それがサッカー全体に浸透するようにリフティング、ドリブル〜全体の中にも繋がる流れを作りたいと思います。

午前と午後の最後は試合で締める形にしましたが、明らかに午前よりも、疲労度が濃いはずの午後の試合のほうが中身もあり、充実した内容でした。

勢いだけでやるとかで、目先のゲームで勝利したいというだけの狭い目的ではなく、どういうプレーを実現させたいか?仲間をどうやって活かすのか?などの事も視野の中に入ってきたのです。

まだまだ余裕のない子は自分で精一杯だったのですが、その自分だけの事も責任というものが伴ってきました。昼休みの時間は自由な試合を見ていたのですが、何も言わずにひたすらやっている『遊びの試合』を観戦していて、段々と『遊び』が『ダラダラ感』へと変わっていきました。それを感じた数名の選手は『面白くない・・・』と感じてしまい、中身はボロボロ・・・。その状態を観てから、午後をスタートする前に、

『今の試合面白かった???』と質問すると、8割のメンバーが『面白い』と答えたのです。

『この状態が全てだね!大半が楽しいから楽しいのかな?本当にそうだと思う?楽をする事が楽しいなら上達はないよね?』という話をしました。楽しくないと答えたメンバーは『ヘラヘラしている子が増えたから』という不満。みんなだって馬鹿じゃない。『笑顔』と『ヘラヘラ』の違いぐらい分かるって事です。

コーチも外から観ていたけど、とてもじゃないけど『一緒にやりたい』とは思えなかった。真剣味もないし、本気もないし。そういう同じ気持ちが2割いた事は評価に値する。何故なら、8割が手を挙げれば『自分は間違っているかも?!』って思うのが人間(日本人)で、どうしても大半に流される。そうではなく、『僕はそうは思わない』って意見をきちんと持てた、言えた子がいた事でこのチームの成長はまだまだ出来るものだと思えます。そういう話をして、午後は『自分を高める為の何か』というテーマで自主練習をしてもらいました。仲間に声を掛けてもいいし、自分でやっても良い、そんな時間を与えて全体が見える位置から観ていると、『自由が下手』だと思った。

自由をうまく使えない。のです。

与えられたものに慣れ過ぎて、ここでも練習メニューでやってきた事しか出来ない、アイデアのない子が多く、せっかくの自由も『やっぱりやらされた感』になってしまう子もいました。でも、今日は敢えてそれを観てみたかったのもありました。どれぐらいの人数がそうなのか?を観たかったし。

そういう中で、自分を変えようとしている子も2年生に多くいて、その姿勢には非常にうれしく思いました。自分の喜びは、自分を喜ばせてくれる何かをしてくれる時ではなく、『自分だけの発想で何かをしてくれた時』です。人の真似ではなく、人と同じ事ではなく、自分だけの事をしている時です。

今日はそんな喜びの時間、空気が何度もあったのがうれしかった。『言われた事だけならやるただの真面目』から少しずつ脱却しようとしている。あれやこれや考えて、悩んで、それでも前に進もうとがんばってくれている。

午前も、午後も、最後は階段ダッシュもしましたが、嫌な顔してやっている子がいなかったし、そういう空気が作れるのは良くなっている証拠。隠せない雰囲気が良いものとして見えるのはうれしい事。片付け、掃除まで高い意識でやってくれました。

7時間練習・・・ファルコに入ってこんなに長くしたのは初めてです。でも、出来るようになったのは『サッカーをする子』になってきたからですね。『知らず知らずにやらされてきた子』ならば、途中で休んでいるはずでした。雨の予報だったにも関わらず快晴の時間が長く、暑さも厳しかったですしね。

ファルコとしての空気が変わり始めている事に喜びとワクワク感がある。技術がすぐに上がるものではないけれど、コツコツ自分のものにし始めている子が増えているのはファルコじゃない時間、練習前の時間、合間の時間の使い方が上手になってきているからだと思う。自由時間の使い方がまだまだうまくないみんなだけど、これまでよりも変化している事は確か。だから良くなってきている。チャンスに、攻撃に、守備に、絡める子が増えた。

ようやく『自分以外』を感じ始めたという感じ。

まだ本物ではないから続けていくしかない。本物になるまで磨くしかない!がんばろう!!