現代のエスプリ いじめの構造より その2

教育相談におけるいじめの対応 今村泰洋より

いじめは子ども同士の人間関係の中で起こっている
しかしながら、ひたすら耐えてきたいじめられた子どもにしても
歯止めが利かなくなりいじめてしまった子どもにしても
また、周囲にいてはやし立てたり傍観していた子どもにしても
いずれの子どもたちも、目はどこに向いていくのだろうか
私は大人に向けられているのではないかと思う

「いじめは絶対いけない」という毅然とした態度を大人は
取るべきことは、文部科学省はじめ多くのところで言われている
しかし、子どもたちは大人をどう見ているのだろうか
表面的にはそのようなことを言っていても、
本気でやめさせようとしているのか
本気で自分たちのことを考えてくれているのか

どうせ大人だって、会社や地域の中で弱い者いじめをしているじゃないか
そんな大人がこんな時だけ正義感ぶったりしても信じられない
そんな声は聞こえてこないだろうか

私たち大人に対して、今、目の前にいる自分に真剣に
目を向けてくれているという実感を、子ども達に抱かせないことには
子どもが大人を信用することはないのではないだろうか