10月21日コラボまつりの行事としてコラボ談話室を開催し、参加者数は延べ27名でした。千里には音楽好きの人が多く、祭りでは歌やダンスが多く催されるので、以前にもテーマとしたことのある「わたしの心の歌&曲」をパート2として同じテーマで開催しました。談話室の主旨通り、祭りということもありましたが、出入り自由に、気楽に音楽にまつわる思い出を語り合いました。
≪最初の話題提供≫
音楽は人間の五感に訴え、記憶に残りやすいものである。視覚や聴覚から受けた感動を歌詞にした曲は多いが、嗅覚、味覚、触覚を歌詞にしたものは探すのに苦労するほど少ない。次に、記憶に強く残る話として、ペンションに宿泊したときのこと、暗くしたリスニングルームで、チャイコスキーの交響曲「悲愴」を聞いた。その時隣で一緒に聴いていた人はペンションのオーナーで、数年前、母親殺しをした容疑者であった。翌朝逮捕されまさかと驚いた体験などが提供された。
≪参加者からの曲とそれにまつわる想い出≫
・はじめて歌った歌謡曲が「丘を越えて」だったが、幼かったので“ほがらか”という歌詞を長い間“ほんがらかに“と憶えて歌っていた。その頃、田河水泡作の漫画“のらくろ”が大人気で、軍隊生活で2等兵がら徐々に出世していったお話を思い出します。藤本二三吉と倍賞千恵子の歌う祇園小唄では、同じ曲でも印象が全く違う。一方は夕方の祇園の河原を散歩する雰囲気、他方は修学旅行に来た高校生が明るくワイワイと騒ぎながら四条大橋から見える東山や祇園を観光している雰囲気を思わせます。
・団塊の世代で、受験勉強中によく聞いていたJAL提供のジェットストリームという番組がありました。10年ほど前、福岡で暮らす親の介護のため、飛行機で何度も往復していました。機内で当時よく聞いた曲が流れ、若かった頃の甘く苦しい時代を思い出します。
・交際相手が東京転勤になり、遠距離恋愛になりました。東京まで会いに行った帰り、この先どうなるのかと不安を一杯かかえつつ、新幹線の座席で過ごしました。当時のJR東海のCM曲・松任谷由実の「シンデレラ・エクスプレス」を聞くたびにその頃を思い出します。
・昔の童謡は歌詞がきれいでよく歌いますが、最近は小学校でそんな歌があまり歌われません。“菜の花畠に・・・”の題名を思い出せなかったところ、孫が「朧月夜」と教えてくれ、いい歌は今も習っているとホッととし、孫と一緒に喜んで歌いました。
・今朝のNHKの「あさイチ」で香川照之さんが出ていて、キンモクセイは若葉が出たときから匂うと言われていた。演技力だけでなく嗅覚も鋭いのだと感心しました。その関連で思い出すのは「若葉」の歌詞で、とっても好きです。知らない人もいましたが、知っている人たちで自然に合唱になりました。
・1年前に主人を亡くして寂しく買い物以外、外出しませんでしたが、誘われて思い切って参加して、皆さんの話が聞けてよかった。主人が好きな曲で灰田勝彦の「スキー」などをよく聞きました。これから少し外出してみようかなと思います。
・高校時代、音楽、美術などの選択科目がありましたが、音楽の先生が好きなので、音楽を選択しました。自分はメゾソプラノですが音域が広い方で、合唱で人数が足りないとソプラノやアルトでも歌いました。
・母の教育方針でTVを見せてもらえませんでした。当時父がテープレコーダーを買い、TVから流れる曲を録音していて、その間は物音を立てることは厳禁でしたので、静かにして父の録音する音楽を、盗み聞きしていました。好きな歌は、札幌冬季五輪のテーマ曲「虹と雪のバラード」です。笠谷幸雄が金メダルを獲得したシーンを思い出します。※このあと、きっちりときれいな声で一曲歌ってくれました。
・音楽はまるで無縁なのに、子供は映画を作る仕事に就いていて音楽との縁が深いのは不思議です。8年前に妻を亡くし寂しく感じていたが、子どもが同居してくれていた。結婚して別居となり今はさびしい一人暮らしになって、石原裕次郎の曲をよく聞いている。
・心に残る歌は特にないが、若い頃あちこちのキャバレーによく行き、そこで鶴岡雅義と東京ロマンチカの三条正人、森進一などをライブで聞くことが出来た。歌手が歌っているときがダンスタイムになっていて、ガールフレンドとよく踊った。
・稽古ごととしてピアノを習った。嚥下障害になり歌えなかったが、治癒後すこしずつ歌えるようになりとても楽しい。元宝塚のドラマーを中心に演奏家が集まり、そこで1回/月歌うのを楽しみにしている。美空ひばりの「川の流れのように」が好きな曲。この曲のように、大きな障害なく穏やかに人生を終えたい。先ほど愛染かずらの話が出ましたが、高校時代この曲で障害物競争をするという運動会の種目がありました。ルールは、男女の選手が手をつなぎ、障害物のある所でも最後まで絶対に手を離さず走り切るという競技で、人気がありました。ウィットに富んだ企画で考えた人は偉かったなあと想い出します。
・高校時代はコーラス部で、成人してからは高橋真梨子の曲が大好きでカラオケでよく歌った。その後、中島みゆきの歌詞が味わい深く好きになった。「時代」「地上の星」などがとても良い。山の仲間と登山中、大きな熊に出会った。熊はそのまま去ってくれホッとしたが、急に怖くなり「今はどんなにかなーしくて・・」と熊に届くように「時代」を大声で歌いながら下山した思い出がある。等々
皆さんそれぞれの人生があり、当然のことながら同じ想い出はありませんでした。それぞれ想い出に残る人がいて、人とのつながりがあって好きな曲や歌手について話されました。常連の方々は、日頃見ることのできない意外な一面をのぞかせてくれました。途中出入りされた参加者の方々も、遠慮されず話を披露され、楽しい一時を過すことができました。
(濱崎定也)