バイオダイナミック農法というのは、あのシュタイナーが提唱した農法らしいが、シュタイナー自身が実践したかどうかは確証がないそうだ。いずれにしても、最近有機や無農薬の野菜が出回るようになったが、このバイオダイナミックとは、単に農薬や化学肥料をつかわないというだけでなく、土そのものをよみがえらせて、虫にも強くおいしい野菜や果物をつくろうという試みである。酸性の強い日本の土壌とシュタイナーのドイツとでは全く土壌そのものが異なり、彼の言う農法をそのまま利用することはできないが、日本にあった自然連鎖の方法はこれまでにも各地で実践され、成果もあがっている。ところが手間がかかり、つい農協から勧められるままに機械化と農薬を大量使用する安易な方法にたよってきた日本の土壌は、本来の土がもつパワーを失い、それを補うために石灰と化学肥料を流し込んで味と栄養のない見た目だけの作物をつくり続けてきたわけである。その反省から、5年・10年かけて土を土壌をダイナミックなものにもどそうという取り組みが、まだ少数ではあるが実践されており、われわれが2年間お世話になった南あわじ市の農業者も実践しておられ、我々はその指導のもと真の有機農業に挑戦してきた。24年度も、ふかふかした黒く輝く土壌をめざして、せっせと淡路に通います。