山崎豊子の世界に酔う

日 時 平成29年1月19日(木)14時〜15時30分
 関西文学の集いがあり、今回は山崎豊子の「花のれん」が
取り上げられました。
 氏は1924年に船場の老舗昆布屋「小倉屋山本」に生まれ
学校卒業後、毎日新聞大阪本社調査部に入社し、当時の
副部長・井上靖の薫陶を受けました。
 仕事のかたわら書いた小説「暖簾」は結構好評で、2作目の
「花のれん」が直木賞を受賞して、作家活動に入った人です。
 この「花のれん」は吉本興業の吉本せいさんがモデルではと言われている作品で、内容は大阪の商家に嫁いだ女性(多加)がやがて寄席小屋経営に邁進していく小説です。
 吉本せいさんも上本町の荒物屋に嫁ぎ、その後天満に寄席小屋を入手して経営を始めた人です。
 吉本は、①落語中心であったこれまでの寄席を色もの(漫才・講談・曲芸・・・)中心に変更した。
 ②出雲の安来節を持ち込んだ。 ③エンタツ・アチャコのしゃべくり漫才を取り入れた。
 ④関東大震災時にいち早く東京の芸人を大阪に呼んだ。 等々 により成功をおさめました。
 しかし氏の小説はこの「花のれん」もさることながら、病院の誤診裁判を扱った「白い巨塔」や銀行の合併を素材にした「華麗なる一族」等々もドラマ化され、有名になりました。
 また氏は世界にも目を向け、新聞社で培った調査力を武器に、中国残留孤児を扱った「大地の子」や、ロッキード事件も取り入れた「不毛地帯」等も執筆されました。