「六甲山の歴史と魅力を歩く」〜六甲連山雑学考〜
2月の語り手は、神戸市の“神戸アーカイブ写真館”の館長、東充(あずまみつる)さんが雪の降る神戸から来てくださった。
1月のコラボ大学校の時も雪、2月当日も超一級の寒波襲来のなかの開催に受講者のみなさんが来ていただけるのか心配だったが、2時のスタート時には満席に。
東さんが自身のカメラで撮った写真や“神戸アーカイブ写真館”の歴史的価値満載の写真資料をふんだんに使って六甲山の歴史、奇岩、奇名の地、ロッククライミングポイント等々の話をしていただいた。
植物学者・牧野富太郎氏が戦後の六甲山の姿を見て「雪山なの?」と驚かれた話とともに、全山真っ白に描かれた六甲山の絵の写真が投影された時には「信じられない!?」という雰囲気が会場に広がっていた。薪や戦時中の航空機燃料用の松脂を取るために樹という樹が伐採されてこのような姿になったとのこと。
現在の緑いっぱいの六甲山からは想像もできないハゲ山を、今の姿に戻すために大規模な植林事業がおこなわれていたことも写真の投影と語りに「あの緑いっぱいの六甲山が?」という雰囲気になっていた。
表六甲ドライブウェーを走るオープントップのバスの写真に、「お洒落やね、今もこんなバス走ってほしいわ!」という声も聞かれ、日本で最初にゴルフ場が開かれたりと、神戸港という国際都市の背景に広がる山として外国人に開発された歴史も興味深かった。
また六甲連山縦走は、今も大人気なのだがコースの途中が新興住宅団地になり分断されていることや、昔からのコース以外を歩く人が増え、新たなコースも出来ていることなど、日々変化していて道に迷う人も多いことなど、地図や事前の下調べをして安全には注意してくださいね!とも。
今日の講演は六甲全山縦走のお話を中心に語っていただけると思っていたのが、多くの貴重な歴史的写真を交え六甲山の歴史を楽しく語っていただけに、今まで見ていた六甲山とは全然違うものが見え新たな六甲山再発見の講座となったと思う。
【アンケートより】
・六甲山、新発見たくさんありました。今度、山に行ったときには、もっとゆっくり周りを見ながら歩きたいと思います。また、六甲山がハゲ山? だったのは、びっくりポンです!(70代)
・神戸の歴史を写真も添えて紹介してもらい、大変興味深く聞かせて頂きました(70代)
・六甲の山々はこれまで20数回登っていますが、「歴史」「いわれ」までは知らないことが多く、大変おもしろくお聞きしました(70代)
・具体的、大変理解しやすく、六甲山の路・道が目前にあり、懐かしさもこめて昔登山したことよみがえり至福の時でした。シリーズ等このような時間をまた企画してください(70代)
●次回、第81回コラボ大学校
「大阪大学・千里研究発表会」
日時:2月26日(日)14時〜16時30分
場所:「第4講座室」千里文化センター・コラボ2F
定員:30名(要申込・コラボ事務局 06-6831-4133)
●次々回、第82回コラボ大学校
「今の子どもたちに必要な放課後・休日とは」
〜冒険遊び場「ひと山まるごとプレイパーク」を通じて〜
語り手:川野麻衣子さん(奈良教育大学研究員)
日時 :3月18日(土)14時〜16時15分
場所 :「第1講座室」千里文化センター・コラボ3F
定員 :70名(要申込・コラボ事務局 06-6831-4133)
報告:京谷 寛