日 時 平成29年3月21日(火)13時30分〜15時
万葉集には「こけ」を詠んだ歌は、たったの11首だそうです。
最近苔を栽培して鑑賞することがブームになっているとかで
これは人が適度に関わり、癒されるからだと言われています。
よく言われる「コケムス」とは、年代を経たことや古びたことの
意に使われる由です。
因みに、国歌は・・・
「君が世は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて
苔のむすまで」とあります。
これは古今和歌集(巻7)の「わが君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔の生すまで」(あなたは、いつまでも長生きされて、河原の小石が大きな岩となり、その岩に苔が生すまで長寿でいてください。)からきています。
さて万葉集には、「こけ」はどのように詠まれているのでしょうか。たとえば・・・
「花散らふ この向の峰の 乎那の峰の ひじに付くまで 君が齢もかも」(花が散り続けている向こうの峰が、どんどん削られていて洲になるくらい、永い年月長生きしてください。)があります。
また大伴道足の歌の「奥山の 岩に苔生し 恐くも 問ひたまふこも 思いあへなくに」は、すでに詠われていた「奥山の 岩に苔生し 恐みと 思う心を いかにかもせむ」(苔がびっしり生すくらい長期にわたり、あなたを思っているこの心は、どうしたらよいのでしょうか。)を知って詠んだのでしょうとのことでした。