簡単ではない『引き出す』事。
物事には順序があります。いきなりうまく、いきなり上手に、は出来るものではありません。何事も失敗をしながら、つまづきながら進んでいくのです。
スクールで行っている事の順序としては『各自が目的意識を持って取り組む』事です。それが『スタート』だと思っています。近年の子供というものは『やらされる事への慣れ』がひどく、それが正しいとさえ思っています・・。もちろん関わる大人もそう思っている人が多いかも知れません。ですが、自分はずっとコーチをさせてもらってどのようにする事が『育てる』という事なのか?を常々考えてきました。
何度考えても結局は同じで『自分で考えさせる』事になる訳です。今日でも自身でフト気付く機会が多かったのですが、やっぱり誘導に近い事をやってしまっている事に気付きます。そんなつもりはなかったとしてもそういう風に子供自身が受ければそうなのです。関わった以上は子供が決める。大人が勝手に判断しない事!それを最優先にしていきたいと思います。
昔は緩くやっている雰囲気がどちらかと言うと『嫌い』でした。
がんばるという美学により、子供達にやらせようとがんばっていた頃をよく思い出します。その頃は当然『目に見える変化』を求めて、目指して『今すぐ』変化させようと躍起立っていたので数値という点では増えた事もあったと思います。ですが、それは一時的なものばかりで偶然に近いものばかりでした。
その日にたまたま出来た事を『実力が上がった』という勘違いを一緒にしていました(笑) 次の週になると全く出来ていない、みたいな(笑) そんな経験をしてきたからこそ『正しく出来る』という形にはこだわっています。それは『自分で考え、自分で行動し、自分で発見し、自分で成功させる』というサイクルのみが導く形なのです。
最近はスクール生との対話も深い話になってきています。今までは出来ない事を質問されるとすぐに『やり方』を教えていたものですが、そうではなく『自分の出来る事でいいから出来る事を説明して!』という形で、どんな些細な事であれ自分の出来る事が自分の言葉で説明出来るようにしてもらっているのです。
必然的に出来るという形を経験してもらう為に、一人ではなかなか出来ない事をみんなで考えるのです!
その為にグループがあり、『うまくなりたい』と集まった仲間の意義があるのです。せっかく集まっているのにみんなが各自でバラバラにやりたい事だけをやる時間では成果は半減します。各自が成長する為に『人と接する』必要があるのです。
観る・聞く・感じる・教える・伝える・一緒に考える
こういう事が出来るようになると練習が楽しくなります。練習を工夫するようになります。本来はコーチしているとみんながそういう風にしたいと思っているのに、手っ取り早い方法として『コーチが言ってしまう』という形に陥ってしまうんですよね。
だから最初はどんなにゆっくりでもいいし、出来なくてもいい。ただし、意味が分かる、意味を理解する事によって次の行動に変化が生まれるという事はしないといけません。
ボールを足に乗せたい。でも乗らなかった。
この『現象・あらすじ』だけを積み重ねても出来ないままです。成長が遅いというのはこういう気付きが遅いという事です。同じ乗らない場面でも、『あ、今のは足がちょっと真っ直ぐ出来ていなかったな・・・』というような事に気付く、考える時間が入れば絶対に変化と成長が大幅に見えてきます。
他のスクールでも、こうした変化が出てきている子もいます!
まだ全員ではないし、全然その兆しが出ていない子もいます。ただ・・・
まずはスクールに足を運んでいるという行動
からです。それがあれば進んでいきます!誰かが成長している空気感の中にいるだけでも変わる子、気付く子はいるものです。誉められている子の真似をしたり、自分もやってみようと思ったりして変化はあります。だからどんな事でも続けないといけません。一回参加して、また休んで、みたいな繰り返しをすれば当然気付くタイミングも遅くなります。そういう大切な部分は必ず親の姿勢を見ているものです。
大人のあるべき姿勢って本当に大事で欠席一つでも必ず連絡をしてくださる人と、何もない人。その背中を観て子供は本当に変わります。
笑顔が増え、考えが増え、会話も増えてきている中でも、現象、あらすじばかりを追う目を持ってしまうとなかなか成果は分かりません。
自分自身、こうして『ゆったり』出来る自分になれるとは思ってもみませんでした。ちょっとでも自分の思う通りにやらないと許せなかった自分が、今ではやらない事すら許容出来るようになったのです。
でも、ほったらかしではなく『その行動も君が選んでいるんだからね』という責任は与えます。それでもやるならその子の決めた事です。今は気付かない時期なんだと割り切ります。
スイッチがゆっくり入ってきている子供に前向きに寄り添う。それを続けていると、前向きにやりたい子が周りに集まる。そんなものです!自分は本来みんなにそうやってもらいたい訳です。それを強要せずにさせるには前向きな仲間を増やす方向性に持っていく手段と、前向きにやろうかな?と思わせる空気感が必要。
だいぶ『遠く』が見えるようになってきたかな♪ずっとずっと足元だけしか見えなくて、『もっと顔を上げて!』と決まり文句のように言ってきた自分。顔を上げる本質がようやく分かってきたかな、ってレベル。
まだまだなりたい自分には程遠い。けど、近づいている実感もある。笑顔の子供が寄ってくるようになった事。やらされている子が不思議と近くに来なくなった事もすごく進歩してきたと思える。
自分の中で『絶対にやろう!』と決めた事がある。だからやり続けるだけ!!子供を見守るように長い目で自分の事も見守ろうと思います。