車で通ると見過ごすものがあります。
自転車では気付かない事があります。
全力で走ると視野は狭くなります。
ゆっくり歩くから、たまには立ち止まるから見えるものがあります。
好きなサッカーを始めて、ずっと続けてきて『ゆっくりやればいいよ』と言われた経験は今までありません。自分は小学生から始めてからずっと全力でやれ！という風に言われて育ってきました。。。
だから余裕を持ってサッカーに取り組んだ記憶がありません。でも、がむしゃらだったらか見えたものもあると思っていますし、今の自分の『がんばる基盤』にはなっていると思っています。そんな自分がいざ、人に教える立場になった時、『何から教えるか？』を考えた時、どうしても『がんばる』というフレーズが当たり前のようについてきていた気がします・・・。
悪い言葉ではありません。
でも、『それのせいで多くを見失う』事も事実なんだという事が今になってよく分かります。力を抜く、余裕を持つ、リラックスする、遊びのような時間のほうが自然とアイデアも出てくるし、大切なんだと分かった事と、何よりも『自分と同じ方法で教えると自分しか育たない』という事が良くないと思ったので、今は自分が受けた指導とは真逆の事をしています。
『子供優先・子供主体』
なんて言葉は口にしながら、やっている事は自分が主体になっている事よくあります(笑) それも気付くのがどうも遅くなってばかり。。。
今は子供達の焦る気持ちにブレーキをよくかけます。
『急がなくていいよ！』
『慌てなくていいから！』
『今出来なくても大丈夫！』
と。
出来なくて面白くない、不安になるのは子供であって自分ではありません。それなのに、出来ないといけない、やらないといけない、って気持ちをぶつけてしまうと子供は逃げ場を失い『コーチに、大人に、先生に、怒られないようにやろう・・・』って思考になるものです。それが一番子供にとってはマイナスなので、そうならないように自分は子供にゆっくり自分のペースでやりなさい、とスクールで伝えるようになりました。
まだ加美スクールのメンバーも『急ぎ足』です。。。
染み付いているから、今出来ない事に向き合わずに出来るようになりたい！早くしたい！変わりたい！うまくなりたい！！って気持ちばかりが焦っています。
ボールを上げたり、止めたり、技を何かやろうとする際も難しい事をやればうまい、って勘違いをしています。基本の形が何一つ出来ていないのに、難しい事ばかりをやろうとしてしまう・・・。その気持ちに今日もたくさんブレーキをかけました。間違ってほしくないのは、ブレーキをかける、というのが『子供がやりたい気持ちを抑える』という意味ではありませんので！！２，３年生の子に、対して難しい事をやりたいと質問された時に、『それよりも君が今出来る事をコーチに教えてよ！』と言います。
まずは自分が出来る事を本当に自分のものとしているか？を知る意味でも、出来る事をやってもらい『どうしてそれが出来るの？』と逆に質問をします。そうする事で、子供は教える為の言葉を探し、選び、伝え、考えます。それを継続し、当たり前にやっていけば自然と自分が出来ない事に対しても『どうしてなんだろうか？』と考えるようになるのです。だからこそ、今の時間は大事で質問をされても教えるより前に、自分が出来る事を説明出来る子にしようと思っています。
最後にも話をしたのですが、うまくなっていく子は『質問の仕方』も上手になっていきます。
例えば学校でも『先生！国語を教えてください！！』って言われても全般過ぎて困りますよね？
でも、『先生！国語で出てきたこの文章の、ここの漢字の読み方が分かりません』という風になれば答える側もより具体的に出来ますよね？この質問をする為にも、
『今、自分がどこで悩んでいる、どこでつまづいているか？を知る事』
が大事だと話しています。
すぐに分からくても良いのです。
でも、いつか分かると自分の学びの速度が圧倒的に増します。
今という一番大切な時間に全力で走る事ばかりをやってしまうと過ぎてしまう景色を多く見落としてしまう・・・。ちょうど蛍が綺麗なこの時期ですが、車で走り、ライトを照らしてしまうとどんなに綺麗でも見えにくいものです。
人間は不便だと思う中でこそ大切な事を学び、発見する事が多くあると思います。
自分で考えたり、生み出したりする前に、人からヒントをもらうばかりで育ってしまうと常に受け身になってしまいます。
今日だって、一つの技にじっくりと向き合ってがんばる続ける子がいました。そういう子が一人でもいてくれた事で次の自分のがんばりにも繋がります。毎回、誰かの、何かの、少しの、きっかけがあればいいと思っています。
いつだったか・・・・全体がうまくやってくれないと満足しないような自分がいました・・・・
その『うまく』も自分だけの基準で見ていました。
要するに『全体を自分の思うようにさせて支配する喜び』でした。
本当に哀れだったと思います。
子供が主役です！！子供が自分を磨くのです！！
その為のお手伝いです！！しっかりサポート出来るコーチになりなさい、俺！！(笑)
