日 時 平成29年6月8日(木)10時〜11時30分
関西生まれでイタリア暮らしの作家・須賀敦子についての
解説がありました。
彼女は関西の裕福な家に生まれ、10代で洗礼を受けた後
自分の道を求めてヨーロッパへ飛び立ちました。
イタリアに長く暮らし42才の時に帰国をして、ヨーロッパの
生活の思い出をベースに文壇にデビューしたのが何と61才
だったそうです。
彼女が亡くなったのが平成10年ですから、今年でもう20年近く経ったわけですが、今でも書店に著作本が並んでいます。
彼女は不思議な作家で、生前に出したエッセイは「ミラノの霧の発見」を含めてたった5冊でした。
しかし没後においても出版が続き、死亡した平成10年にはなんと「遠い朝の本たち」他、合計4冊が出ています。
文壇デビューが遅く、生前にはたった5冊しか出版されていませんが、その間には多彩な活動(イタリアの各所紹介やイタリア本の翻訳等)は行っていたようです。
彼女の作品は、「回想のエッセイ」とか「追憶のエッセイ」とかと呼ばれ、イタリアでの生活や知り合った人々を思い出して語り口調で書かれており、ヨーロッパのかぐわしい臭いがいたします。
そして読んでいる人には、なんだか映画を見ているような気分にさせてくれます。