昨日は昼間のファルコの活動を終えてからすぐにその足で芦屋のほうへ向かいました。
『フットボールと武術をつなぐ』
という何とも不思議なタイトルではあるのですが招待してくださったのは自分の指導観を180度変えてくださった廣田さん。あまりにすごい指導力を持つ廣田さんとは神戸国際大学で指導されている時に出会いました。そこからずっと足を運んで色々教えていただいたのですが、やはり『タイミング』というものがあると思います。廣田さんから教えていただいた池上さんとの出会いや学び、そこからさらに広がっていく繋がりを今でもずっと大切にしています。そんな廣田さんからも『自分に必要な何か』があれば連絡をします、と声を掛けていただいていたのでずっとずっと待っていたのですがその機会がついに訪れて今回のイベントに参加させてもらったという事でした。憧れの人、尊敬する人に対しては『会いに行く』のではなく『会える』機会が自信の成長だと思っています。会いに行くのは簡単。時間を作って足を運ぶだけですから・・・。でも、相手側から言われる、誘われる、声を掛けていただける、という事は自分では作れないのです。それだけに今回の機会は自分にとっても一つの成長の形としたいし、ありがたい機会として存分に学びたいと思いました。
会場は芦屋市立体育館でした!ごくごく普通の体育館に集まった方々は、世話人をされていた廣田さん達の関係者の方が多く、種目はサッカーだけではなく武道や野球、バレーというような様々な方々が50名近く集まっていました。
講師は自分が尊敬している池上さんの師匠にあたる祖母井(うばがい)さんと、古武術の先生でもある方条(ほうじょう)さん、ヨガの先生をされている菅原さんでした。
案内自体はすごくザックリしていました。それぞれの種目に使われている物(サッカーボールなど)を持って来てください!途中退出、途中参加も大丈夫、実技でも講義でもない、対話をやっていきましょう!みたいな形でした(廣田さんとの関わりがある方なら慣れている形ですが)。
予定時刻に到着すると、『サッカーボールで対話』をしていました。要するに、自由参加のフットサルだったのですが、そこで試合をしながらみんなで一緒にボールを介して対話をする、という形でいきなりスタートしました♪
そこから定刻になると、祖母井さんと方条さんがメインで活動を開始してくださいました!
何をやるのか?本当に楽しみでした♪武術なんて言葉は聞いた事しかなくて、この年齢になった今でも全く触れた事がありません。初対面の方条さんにはこのイベントが開始される前に個別に質問等されている方々がいたのでそこへ一緒に混じって話を聞かせてもらっていました。とても目に力のある方で、話も引き込まれる魅力のある方でした。
サッカー関係者だけではなかったので、サッカーにこうして活かしてください!という形ではなく『人間の本来の力の発揮の仕方』みたいな形でした。ありえないような状況が目の前で起き、それがごく当たり前、自然に持っているものなんだ、とうような事で教えていただいたのですが頭で分かっていても自身でコントロールして使いこなすのは本当に至難の業でしたね。
ファルコでもいつもお世話になっているベゼルさんが指導をしてくださる時に、個別に色々質問をしている背景もあって、やっぱり自身で聞いて、直接体で体感しないと分からないというのは知っているので、今回も
『誰かやってみたい方?協力してくださる方!』
という声には即座に反応し(笑)、自身で体感させていただきました。
『おいおい〜やらせやろ〜〜〜!!!』って周りから言われるぐらいに自分はやられました(笑)
腕相撲の形で、自分のほうから自分のタイミングで方条さんの腕を倒すだけの形。しかも方条さんは目を瞑って力を抜いて受けられるだけ。倒せば自分の勝ち、という圧倒的に有利な状態の中でさせてもらうと・・・・・
『バタン!!』
倒れたのは自分のほうでした。
思いっきり掛けた力がそのまま自分の返ってきたという不思議な体験。
相手は力を抜いているのに丸々跳ね返ってくるという体験。もう驚き以外のなにものでもありませんでした。
そういう人間の体には最大限の力を発揮出来る方法があるのに敢えてブレーキをかけるトレーニングをやっているのが現実。そういうお話でした。トレーニングとは誰しもが『強化』だと思っているのですが、その概念を完全に覆すような内容でした。もちろんトレーニングがダメ、って話ではありません。出来るだけ『強く』使いたいのは間違いではないからです。でも、ここで大事なのは『強く』という一番の力を発揮するのは『力を入れて硬直させた時ではない』という事実なのです。
がんばる=力むという事が当たり前のように思われがちですが、鳥取でも大きな衝撃を受けた中に『がんばらなくていいんだよ』という坂口さんの教え。その意味が繋がってきました。坂口さんのカラーではなく、正論なんだという事。この一回だけで古武術を理解し、使用し、変えていくという事は出来ないけれど(頭でいくら理解しても体に染み付いているものがなかなか剥がせないからです)、この『やり方』を知っておく、知れた事に大きな意味があると感じました。
実際にいくつかの体験をさせてもらっただけでも、いかに普段から無駄な力、エネルギーに頼って活動しているのか?が分かりました。全ての事が『無駄』ではありません。矛盾のように聞こえるかも知れませんが一つの手段を知るという事に関して言えばどんな経験も無駄ではないからです。自分が今日までしっかりとトレーニングを積んできた経験があるからこそ分かった話であり、出会いだったのですからやってきた事がダメ、無駄ではないのです。
新たに知れた世界。今日からまずは自分自身を変えていこうと思う。それが証明出来るレベルにないと勝手に子供には伝えられない。実験台はいつも『自分自身』。
子供がより素晴らしい能力、可能性を発揮出来るようにこのようなあらゆるジャンルの方々から多くを学び、少しでも多く還元していければと思います。
とてもシンプルな事を難しく思ってしまった自分の凝り固まった概念に気付かされました。ただ、ものすごく充実感が溢れる3時間弱の時間でした。
『自然に』
という言葉がこれだけ重たく聞こえたのは初めてだと思う。
自分が良いと思ったからと言って他者に受け入れられるものではありません。ただ、選択肢の中の一つとして与えられたらいいな、と思う。少なくとも自身の頭と心が柔らかくなる事は指導についてもメリットしかない。自分の成長は子供に反映される。だからこうした機会にどんどん自分が頭と体を使っていく!コーチも成長しています!と堂々と子供の前で話をしていける大人になる。
素晴らしい機会を提供してくださった祖母井さん、方条さん、菅原さんに感謝ですし、声を掛けてくださった廣田さんにも同じ気持ちです(礼)
恩返しは自分の行動で示すしかありません。言葉ではなく、行動で。責任持ってやっていきたいと思います!!ありがとうございました!!