人間の本性は善か悪か

日 時 平成29年8月24日(木)13時30分〜15時
 「人間」を正面からとらまえたセミナーでした。
 人間は善を行うべき先天性を具えているのか、はたまた人間は
本来利己的欲望があるものなのかという哲学的な問題で、前者は
性善説と言い、後者を性悪説と説明されました。
 性善説の代表選手が「孟子」なら、性悪説の代表選手は「荀子」
というところでしょうか。(写真は「孟母三遷・孟母断機」等の碑)
 孟子の有名な故事に「五十歩百歩」がありますが、これは「戦場
から五十歩離脱したものが、百歩敗走したものを臆病だと笑うことはできない。」の意味です。
 重要なのは表面的なことではなく本質的なことで、孟子が主張したかったのは「仁義(根本的な道徳心)」であって、性善説と深い関係がある由です。
 すなわち人には皆「他人の悲しみを見過ごすことのできない心があり、これを「四端」と解説されました。
 「四端」とは、惻隠の心(他人をいたわしく思う気持ち)、羞悪の心(不善を恥じ、悪を憎む気持ち)、辞譲の心(へりくだって譲る気持ち)、是非の心(正しいことと間違ったことを区別する心)の4つで、各々「仁」「義」「礼」「智」で表すとのこと。
 孟子の性善説は人類に夢と希望を与える思想だとすれば、荀子の性悪説は人間不信を前提とする思想で、あまり評判はよくありませんでした。
 性悪説は人はそのままでは悪になってしまうので、人為的努力を加えることより善になるということでした