日 時 平成29年9月8日(金)10時〜11時30分
平安時代に小野小町と並び称された女流歌人・伊勢(36歌仙)
のお話しです。
百人一首にも「難波潟 みじかき葦の 節の間も 逢はでこの
世を 過ぐしてよとや」の歌が選ばれています。
彼女は、①16才での失恋経験、②宇多天皇の男子を授かるも
他界、③年下の親王と結ばれるも親王が先に他界・・・と次々に
不幸に襲われます。
しかしそのたびに彼女は立ち上がり、最後は娘(中務)や孫娘(井殿)に囲まれて天寿を全うしました。
それでは、彼女の詳細を見ていきましょう。
まず①の件ですが、これは本人の歌集「伊勢集」にも出てくるのですが、宮づかいにあがると間もなく時の関白藤原基経の次男・仲平から声がかかり、玉の輿かと思われましたが、仲平は近衛大将の婿に入り、彼女は捨てられてしまいます。(伊勢は本心、仲平は遊び?)
②は、その後宇多天皇から声がかかり、ついに男子を授かりますが、その子は8才の時に亡くなり、大きなショックを受けます。
そして③の出来事ですが、相手は12歳年下の敦慶親王(醍醐天皇の弟)で、最初は伊勢が親王にお琴を教えたことで親しくなり、やがて子供も授かって幸せに暮らせるやに思われましたが、その親王は44才で亡くなってしまい、「かなしさぞ まさりにまさる 人の身に いかに多かる 涙なりけり」と詠みました。