愛をつらぬき、死を選ぶ

日 時 平成30年1月11日(木)14時〜15時30分
 関西文化に育まれた文学の1月の課題は、今 東光の「お吟
さま」(直木賞受賞)でした。
 今 東光は明治31年に横浜市に生まれ、10才から神戸で
育ち、多汗な時期を関西で過ごしました。
 「お吟さま」は千利休の娘ですが、後妻の連れ子で父親は
松永久秀という設定です。
 お吟は時の権力者・秀吉に見初められるも、これを断った
ため、立場が悪化していきます。

またお吟は妻ある高山右近を好きになり、右近もお吟に傾いて
いき、一時は二人で逃げようともしましたがはたせず、どうにも
ならなくなって、結局 愛をつらぬく死を選びます。
 しかし、昨年からこの小説は話題にしにくくなりました。
 なぜなら、「ユスト高山右近」がローマ教皇に認められ殉教者
として福者の列に加えられたからです。(列福式済み)
 その理由は、妥協することなく名誉も裕福な生活も捨て、国外
追放を甘受して優れた模範になったからだそうです。