日 時 平成30年3月13日(火)13時30分〜15時
万葉集の中で「ヤナギ」を詠んだ歌をご教示いただきました。
なおヤナギは柳の他、楊・世奈宜・楊奈疑・楊疑・夜疑等の表現が
見えるとのこと。
またヤナギには、シダレヤナギ・ウンリュウヤナギ・アカメヤナギ・
ネコヤナギ・キツネヤナギ・ミヤマヤナギ・コリヤヤナギ等々がある由
でした。
中国の李時珍が著した『本草網目』に「楊枝は硬くして揚起す、故に
之を楊と謂う。柳枝は弱にして垂流する・・・」とあり、枝の上向きが楊、下向きが柳と表現したとか。
なお万葉集に詠まれている「ヤナギ」の歌は三十六首あるとのことで、その内から数首のご紹介がありました。
「山のまに 雪は降りつつ しかすがに この川柳は 萌えにけるかも」(山の間にはまだ雪が降っていますが、とは言え目の前の柳はもう芽吹いてきていることよ。)
「朝な朝な 我が見る柳 うぐいすの 来居て鳴くべき 森にはやなれ」(朝が来るたびに我が家の庭の柳に早くうぐいすがやって来て、こんもりと茂ってほしいものよ。)
「梅の花 取り持ちて見れば 我がやどの 柳の眉し 思ほゆるかも」(梅の花を手に取って見ていると、私の家の庭の柳を思いだすことよ。)
・・・のように、柳は梅などと同じように春の訪れ時によく詠まれていたようです。