日 時 平成24年3月17日(土)
場 所 芦屋公民館
講 師 芝垣哲夫氏(アメリカン大学客員教授)
よく西洋人は個性(主張)を重んじるが、日本人は調和を重ん
じると言われます。
日本人の考え方を如実に表わしているのが夏目漱石の草枕
の冒頭の、「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。・・・・・」ではないでしょうか。
これはどうも脳の仕組みにも関係がありそうです。
西洋人の左脳はわずかに「言語(子音中心)と計算」にしか使用されていないようですが、日本人のそれは「言語(母音中心)・計算の他に音(感情音や自然音)」にも使用されており、それが日本人特有の情念を生み出しているとか。
たとえば感情音では泣き声(しくしく・・)、自然音では雪(しんしん・・)等があり、実際はそのような音は出ていませんが、音を言葉で表現することが得意です。
西洋人に「胃がキリキリ痛む」と言っても、「キリキリ」が理解できないようです。
先ごろ全米で由紀さおりの「夜明けのスキャット(口で楽器の真似をする)」が大ヒットしたそうですが、彼女は「夜明け」を感情音や自然音で表したことがアメリカ人に評価された結果だと思われます。
どちらが良いかは別としまして、日本人は情緒的であり、西洋人は論理的であると言えます。