阪神間につながる作家

日 時 平成30年4月18日(木)10時〜11時30分
 今回は、大阪生まれで伊丹に長く住み、阪神間を舞台にした
小説を数多く書いた田辺聖子のお話しでした。
 彼女は、昭和3年に大阪市福島区にて田辺写真館の長女と
して生まれています。
 当初は、のびやかな乙女時代を過ごしていましたが、戦争が
勃発し自宅が大阪大空襲で全焼、またその年に父親が急死し
たりして、夢見る少女は現実を直視せざるを得なくなりました。
 やがて自分でノートに少女小説や冒険物語を書き始め、作家のまねごとをするようになっていきます。

昭和31年に「虹」で新人創作文芸懸賞小説に入選、「花狩」が
「婦人生活」の懸賞小説佳作に入選いたします。
 そして昭和39年(35才)には、「感傷旅行」で第50回芥川賞
を受賞するに至りました。
 また、「小説家として鋭い人間観察と高い知性をユーモアに
包んだ個性豊かな作品を数多く執筆し、多大な成果をあげた。」
という理由で平成20年に文化勲章を受章します。
 彼女は忙しい中、単行本だけでも270冊以上を書いています。