自分がかつて歩き遍路をしていた時を中心に、
四国のみなさまからたくさん【お接待】を頂きました。
徳島→高知を進み、愛媛・南予地区に入って、
左手の風景が太平洋から瀬戸内海に変わって
国道56号線を北上するところでも
お接待を頂いた時があります。
それはとても寒い日でした。せっせと歩き、
国道56号線を宇和島に向けて北上していました。
そこに一台の乗用車が止まり、助手席の窓が開き、
運転席にいたおにいさんが「お接待です。
寒いのにご苦労さまです。」と
あったかいペットボトルのお茶を私に手渡されると
颯爽と進行方向に去って行かれました。
その間15秒くらいでしょうか。
この国道56号線は交通量が多いので、
駐停車しづらい道路なんです。
その方はスキンヘッドでしたが、
怖い感じではなくお坊さんのようでしたが、
普通の服を来ておられました。
そのお接待を自然にさらっとされ、颯爽と去って行かれるって、
なかなか出来ない・行けない境地であります。
生き仏様とは、あのような御方なんだと、
今でも鮮明に覚えています。
あったかいお茶に込められた
おにいさんの御心に感涙しながら、
てくてく歩いていたことを、ここを通る度に思い出します。
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今回の車遍路の際、しんどそうに歩いておられる
お遍路さんを二人見たのですが、
アクセル踏んで抜かして行きました。
かつて私が歩き遍路しててしんどい時、
地元の人とかが私に声をかけ、数回乗せて頂き、
とても助かりました。
自分が何回もして頂いたにも拘らず、
いざ自分が出来る立場になっても、
それが出来ないということに、
自分の至らなさを痛感して帰って来ました。
「急いでいるから」とか「引き返すのが面倒くさい」とか
「(お接待を)断られたらどうしよう」とか
「ヘンな人やったらどうしよう」とか、
そんな正当っぽいことを思いつつも、
やっぱり自分の良心は痛む訳です。
ですので次回車遍路をする時は、
更に時間のゆとりを持って、
困っているお遍路さんがいれば、
お声がけしたいと思っています。
人間は自分のことが一番良く観得ませんが、
こんな感じで、客観的に観得てくるのもまた
四国遍路の魅力だと感じています。
【写真】愛媛・南予地区の海の風景と、
かつてお接待で頂いたあったかいお茶(2012年2月28日)
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