3日目は高知県西部・須崎市にある
「民宿なずな」という、
お遍路さんの間ではとてもいいと有名な
遍路宿に泊まりました。
今は閑散期な上、なずなさんのホームページに
「車遍路でもOK」的なことが記載されていたので、
今回泊まらせて頂きました。
部屋数は4つしかないのですが、
アットホーム&綺麗、
そして何よりもお料理が凄く良かったです。
噂通りの素敵なお宿でした。
チェックアウトする時、なずなのおばあちゃんと
30分くらい話していました。お宿の方とお話ししますと、
地元のことと今のお遍路さんの状況や
傾向が分かるので、こんな感じで
結構お話しさせて頂きます。
そこで、すごく感動したお話しを聴きましたので、
ここに記させて頂きます。
・・・ここ3〜4年、外国人(欧米)の歩き遍路さんが
一気に増え、このなずなさんにも
良く泊まりに来るそうです。
日本人もそうですが外国人も“ピンキリ”で、
いろんな人がいるそうです。
そんな中、85歳のベテラン歩き遍路のおじいさんが、
「この子の宿泊代、僕が払うので、
泊めさせてあげて欲しいです」と、
20代のフランス人女性のお遍路さんを
連れて来られたそうです。
彼女は、お遍路をしたいという想いは
とても強いのですが、とにかくお金が無く、
基本的に野宿をし(女性一人の野宿は危険です。
「善根宿」という無料のお宿も四国各地にあります)、
お風呂に入りたい時は、
なんと代わりに太平洋に飛び込んでいたそうです。
だけど、海は塩分があるので、
どんどん「乞食遍路」のように汚くなっていて、
それでそのベテランお遍路さんが
彼女に手を差し伸べたそうで、
途中から一緒に歩いて来られたそうです。
彼女は英語とカタコトの日本語、
おじいさんは英語が話せた為、
英語で精度の高いコミュニケーションが出来たのも、
良かったんやと思います。
そのおじいさんと女の子以外にその日は、
歩き遍路の団塊世代の
おじさん2人が泊まりに来ていたそうで、
夕食時一つの大きなテーブルを囲んだ場所で、
おじいさんは、この女の子の現状や、
なぜお金が無いにも拘らず
飛行機に乗り海を越えてお遍路しにやって来たのか?
女の子の想いを日本語でおじさん2人に話し始めたそうです。
「・・・だから、僕はこの子の宿代を払ってあげるんです。」とまで言った時、
そのおじさん2人は
「僕たちもこの子の宿代を支払わせてください!」と熱望され、
結局3人で折半して女の子の宿代を支払われたそうです。
当然、その女の子はカタコトの日本語で、
おじさんたちにお礼を言ったことでしょう。
だって、本来女の子が、支払うべきお金を
おじさんたちが払うのですから。
だけど、おじさんたちも感謝の念を抱かれたことでしょう。
なぜなら、この女の子とおじいさんとの出会いによって、
【人に施すこと歓びや素晴らしさ、大切さ】に気づき、
それを実践する機会を与えられたのですから。。。
「give & take」の真の法則は、
お互いが(ここでは)【お遍路をする】という
「give & give」をしていると、
必要な時に必要なだけ双方に
「take」が天から与えられるということなんだと私は感じました。
なずなのおばあさんの向こうにあった大きなテーブルに、
その4人が笑顔で歓談している姿が観得、感涙しながら、
なずなさんを後にしました。
88のお寺でのお参りも当然必要なことですが、
遍路道上で起こる、数々のこのような出会いや気づきが
この四国遍路道にはあるので、
お遍路さんはリピーターが多いんやと思います^^♪
出会う人、み〜んな【お大師さん】!
真の幸せは、得ること(take)ではなく、与える(give)ことにある。
南無大師遍照金剛(ー人ー)☆
【写真】民宿なずなさん
http://sea.scatv.ne.jp/~hien-type3/index.html