日 時 平成30年10月27日(土)10時〜12時
手塚治虫の漫画「きりひと讃歌」をベースにドイツで7年間
牧師をしておられた先生のお話しです。
キリスト教は中東(イスラエル)で始まり、それがヨーロッパ
へ伝播し、そして全世界へと広がったもので、日本でのイメ
ージは欧米の宗教という位置付けのようです。
そのような文化の中で、一般的には漫画のなかのイエスは
宗教教育的(イエスを信仰の対象)に描かれており、その目的
は聖書の物語を理解することにあります。
そしてその漫画は、聖書の挿絵的であるように思われます。
また漫画のなかのイエスのモチーフを表すのに、黙示録・終末・悪魔・イエスの弟子達・ノアの箱舟等がシンボリック的に用いられているのだとか。
ただし漫画のなかのイエスのイメージは、漫画家の独自の解釈に基づいていて、必ずしも教会的ではなく、信仰的感化を与えるところまでは描かれていないと思われる由。
さて冒頭の「きりひと讃歌」ですが、これは「ビックコミック」に1970年から連載された漫画です。
この中で手塚治虫が求めているものは、信仰の対象として崇められるイエスではなく、傷つくイエスで、傷つくことを通して他者を理解し、また他者を理解することを通じて自らの傷を癒すイエスではないでしょうかとのことでした。<因みに主人公の名は、小山内桐人(オサナイキリヒト=幼いキリスト)です。>