日 時 平成30年10月31日(水)14時〜15時30分
藤田嗣治が世を去って50年にあたる今年に、画業の全貌を
網羅した展覧会(10月19日〜12月16日)が京都国立近代美術
館で開催されており、その内容や見どころについて解説してい
ただきました。
父は軍医・エリート官僚、祖父は上級武士(家老)という良家
の次男に生まれた彼は、若い頃から画家を目指していて、東京
美術学校を卒業すると、3年後にはフランスへ旅立っています。
パリではピカソ全盛時代で、手ほどきも受けたようですが、やがて彼の個性ともいうべき「乳白色の下地」を考案いたしました。
1921年に発表した「私の部屋・目覚まし時計のある静物」がパリで評判となり、彼の出世作となります。
その後絵は飛ぶように売れ、安定した地位を築きますが、ほどなく第2次世界大戦が勃発し、日本への帰国を余儀なくされました。
日本では主に「作戦記録画」を手がけ、群像表現に到達いたしますが、これが戦後に批判を招き、彼は再びアメリカ経由でフランスに渡ります。
この旅の途中にアメリカで描いたのが、代表作「カフェ」(写真)です。
結局 彼はそのままフランス国籍を取得し、欧州でその生涯を終えました。
展覧会では、「風景画」「肖像画」「裸婦」「宗教画」等、テーマごとにレイアウトしている由でした。