本日は珍しく3つ目の投稿です。
平成最後の今日にふさわしい色の話。
タイトルの黄櫨染(こうろぜん)は日本の色名です。
写真は上村六郎、山崎勝弘『日本色名大鑑』昭和25年出版の本の「黄櫨染」(こうろぜん)です。
この色名は日本後記から現れたとあります。古いもので変色してわかりにくいです。
なぜこの色名を挙げたかと申しますと、以下のように歴代天皇が着用される袍の色だからです。
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もう少しわかりやすく福田邦夫『色の名前』主婦の友社平成6年より
こうろぜん(黄櫨染)
歴代の天皇が、正式の際に着用される袍(ほう)を黄櫨染の袍といい、禁色の最たる色である。
日光を象徴したといわれる赤茶色で、文様は桐、竹、鳳凰、麒麟を織り出したものという。
この袍が正式に制定されたのは、嵯峨天皇の弘仁11年(830年)といわれており、以後、代々の天皇がこれをこれを着用されてきた。現代の天皇も即位の礼、立太子の礼などがテレビ中継されたので、多くの方がご存じのとおり。
この染色は、黄櫨の若芽を煎じた汁に、蘇芳(すおう)の煎汁で染重ね、それをさらに上から黄櫨で仕上げるという手間のかかる複雑なもので、照明によっていろいろな茶褐色に見えるという。この複雑な色合いを複製すること容易ではなく、歴代天皇の袍の色でも、同じに見える色はほとんどないそうだ。
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禁色の最たるものというのは、日本でお召しになれるのはただ一人という高貴な色です。
天皇陛下、宮中三殿で最後の報告 時事通信の写真
こうして平成の時代の幕がおろされ、令和の時代にバトンタッチですね。