日 時 2019年6月13日(木)14時〜15時30分
関西文化に育まれた文学から、今回は坪内逍遥の「桐一葉」が
取り上げられました。
彼は幕末の1859年生まれで、主に明治時代に活躍した人です。
小説家、評論家、翻訳家、劇作家等の顔を持ち、代表作に「小説
神髄」「当世書生気質」や「シェイクスピア全集の翻訳」等があります
さて、今回ご紹介いただいた「桐一葉」ですが、これは豊臣秀吉の
没後、関ケ原の戦を経て、混乱する豊臣家を描いたもので、続編の
「沓手鳥孤城落日」は、さらに大坂夏の陣により豊臣家が滅亡する迄を、淀君と片桐且元を軸にした悲劇です。
この作品は、元々歌舞伎のために書かれたもののようですが、後に音楽劇(レビュー)として宝塚歌劇でも上演されました。
この時の脚色・演出はパリ留学を経験した白井鐵造で、基本的な考えは演出と音楽は西洋から(革新)、物語と精神性は日本から(伝統)とし、古典の近代化を目指したものです。
具体的には、題名を「淀君」として原作の短縮とモダン化を計り、音楽は洋楽で、セリフは現代語で、テンポは速くと考えられました。
また原作は淀君と片桐且元のダブル主演ですが、ここでは宝塚らしく淀君をメインとし、配役も南悠子(淀君)、淀かほる(秀頼)等、当時の看板娘(?)が配されました。