虹の家の鬼 – 生活リハビリの視線

いつも「脚が痛い」と言いながら、自宅から虹の家までカートを使い
歩いてくる「アラ100」のご婦人がいます。
時々「車で送ってよ」と頼まれますが、虹の家の鬼たちは 「歩いて
帰ってください」 と一言いうだけです。
他にも、車に乗り込む時に苦労していても、踏み台を出さずに近くで
見ているだけの鬼。
トイレに座ろうと、手すりにつかまり頑張って立ち上がっているのに
「もう少し立っていてください」と冷たく言う鬼。
心配そうに歩いているのを傍で見ながら「杖を使って下さい」と言って手を貸さない鬼。
虹の家にはいろいろな鬼がいます。

「生活リハビリ」という言葉があります。日常生活の動作にリハビリ効果があるという意味ですが、より深い意味では「体操などのリハビリは飽きて続かないが、生活に必要な動作なら多少負荷が掛かっても継続できるので、効果が上がる」という考え方です。
日々、日常生活の積み重ねが、身体の筋力を維持して元気な生活を支えていきます。
勿論、一人で起床できなくなったり、数mの歩行でへたり込んでしまうような事態になればきちんとしたサポートが必要ですが・・・
必要以上に心配せずに、一度、ご家族の生活をこんな視線で見つめてみてはいかがでしょうか。

蛇足ですが、昔、「トイレが洋式になり、日本人の足腰が弱くなった」と言われたことを思い出しました(笑)