NO.775 「川柳ささやま」 8月号
(%星%)今月の秀句(%星%) 「現実と小さな理想風になる」 古谷 春美
〇雑詠 丹波柳壇 北澤 稠民 選
〈秀〉
筆先が神の空間描き出す 良子
出歩いて転げて笑うも一人きり 善輔
なけなしの水打って待つ盆の客 (長)哲男
(軸)生き様をそっと包んで一句練る 稠民
〇席題 冷菓 (出題 長谷川善輔) 互選一人五句選
〈秀〉 冷菓よりビールが欲しいこの猛暑 精一
〇兼題 ラジオ 稗島照代 選
〈佳〉
このラジオ叩けば鳴りだす骨とう品 (脇)敬子
老の顔ラジオを耳にいねむりか 和子
玉音を聞いた古ラジオ置いたまま すみえ
お疲れをラジオで癒す農作業 勝
ラジオ好き八十路の日々へ友として 美智子
災害へラジオが頼り身を守る 美智子
子等の夏体操で始まる風物詩 良子
(人)終戦をラジオで知った十五才 (南)美幸
(地)家族団らんラジオ囲んだ夕餉時 喜弘
(天)周波数合わせたはずがペラペラ語 良子
(軸)ラジオから声の宝石輝きて 照代
〇兼題 理想 大西重男 選
(佳)
変わらない理想の人はやはり亡夫(つま) 美智子
いろいろな理想よぎった若い頃 幸子
今日のゆめ明日の老いの道しるべ 和子
しあわせだ丹波篠山理想郷 (南)美幸
あの世へは夫先逝き妻が追う 喜弘
追いかける夢があるから生きられる 稠民
惜しい人亡くした言われ逝く理想 剛
(人)現実と理想との狭間で老い生きる 美智子
(地)ピンコロが理想と願い墓まいり 良子
(天)現実と小さな理想風になる 春美
(軸)旅立ちの理想の時期は米寿越え 重男
〇兼題 連絡 澤良子 選
(佳)
進化したスマホ連絡魔法です 春美
連絡船舞台を飾ったはるみ節 凛繪
はしご酒妻のメールに酔い覚める 喜弘
家族の輪取り持つ孫は宝です (脇)敬子
連絡は二人の秘密暗号で 純子
ああ老いたスマホ無いので手紙書く すみえ
顔の無い絆が結ぶメール便 稠民
(人)明け方の電話に碌なものはない(北)哲男
(地)伝令の蟻一匹が巣に走る (長)哲夫
(天)すれ違いメモを残した伝言板 喜弘
(軸)なぐり書き機嫌伺う置き手紙 良子
【9月の句会】
〇と き:9月4日(水)13時〜
〇ところ:丹波篠山市民センター 1階 研修室①
◇ 宿題 「脇見」 (脇)敬子 選、「いねかり」 剛 選、「運転」 喜弘 選
◇丹波柳壇 雑詠 (長)哲夫 選 「脇取」 薫・幸子・几代
※当日会費 500円 、欠席投句の方は82円切手5枚
《10月句会予定 10月2日(水)》
『川柳ささやま』
発行:令和元年8月7日 発行人:北澤稠民 編集:中本 薫