技を盗む場合、通常の状態だと、
技が上のものから技を盗むことはできない。
自分より相手が自然体だと△○□が見えなくなるため。
△○□を知覚できるのは、自分よりある程度不自然体で差がある必要があるため。
だから技にかけられるときは、自分より自然体の相手である必要がある。
通常は負ける側が受けとなり、型にはめることで、お互いの自然体の有意差を逆にする。
これが型稽古が必要な理由
型稽古は、
受けの自然体を不自然体へ
捕りの不自然体を自然体へ
変換し、
上の△○□を知覚しやすいようにすることで、下が△○□を知覚し技の構造を理解しやすいようにしている。
型稽古でなければ、それはできない。
上手側が本来の動きである場合、
自然体であるため△○□が見えず、下は△○□の扱い方を学ぶことができないのだから。
今までの内容をまとめると、
型の役割は、技そのものの形を伝えるだけでなく、
・難易度毎の技がこなせるかどうか(□をつくれるかどうか)の題目。よって異常な形もあるし、役に立つ。
・自然体の逆転(手の内を見せること)
・手数を増やし、必要とされるレベル差の設定。互いに同等の場合に役に立つ
などの機能を有している。
これが自由に動ける乱取りとなると、
自然体の上下関係がそのままとなるので上下の逆転が起こらない。
そうなると、稽古の目的が
元から自然体のできている(素質のある)人を伸ばす(もしくは見出す)だけのものとなる。
これは本来の稽古ではない。
稽古は高い素質を会得するものであるので、型稽古が必須。