財政難の民間DVシェルター、政府が支援拡充…心理ケア専門職も配置へ

政府は2020年度、配偶者らからの暴力(DV)を受けた被害者の避難先となる民間シェルターへの財政支援を拡充する。心理的ケアなどを担う専門職の人件費や、母子を一緒に受け入れるための施設改修費を補助することが柱だ。財政状況が厳しい運営団体を支え、被害者支援の充実につなげる狙いがある。

政府は事業費2億5000万円を20年度予算案に計上した。メールやSNSによる相談に対応するシステムの整備費や専門性を高める研修費、入所者の自立に向けたプログラムの実施費なども対象とする。都道府県などが負担した経費の全額を国が賄う仕組みだ。

これまでの国の支援は、都道府県が民間シェルターに一時保護を委託した際、費用の半額を負担することなどにとどまっていた。

内閣府によると、全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は18年度11万4481件で、統計を取り始めた02年度以降で最多となった。対照的に、民間シェルターを運営するNPO法人や社会福祉法人などの団体は減少傾向にあり、18年11月時点では107団体と、3年前よりも18団体少なくなった。
規模の大小を問わず財政難に直面しており、人材不足も深刻だ。全国の民間シェルターでつくるNPO法人「全国女性シェルターネット」の北仲千里共同代表は「ボランティアを担う人の多くは高齢者で、次の世代を担う人材育成も進んでいない」と話している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200118-00050235-yom-soci

DV等の被害者のための民間シェルター等に対する支援の在り方に関する検討会
http://www.gender.go.jp/kaigi/kento/shelter/sidai/02.html