天台宗における千日回峰行の本拠地である
無動寺谷にも行きました。
このエリアは東塔地域から、せっせと30分くらい
谷を下りて行く(=帰りはひたすら上り^^;)
・・・車じゃ行けない僻地にあります。
司馬遼太郎先生も足を運ばれたからには、
私も行かない訳には参りません(笑)。
自宅から竹の棒(杖)を持参し、登山を覚悟し、参りました。
![](/img/u43837/FI4010985_0E.jpg)
名前からして、このお寺のご本尊は
“不動明王”なんですよね。
先程の赤山禅院同様、何故か今回は
不動明王ばかりにご縁があります。
ボーボーと燃えて、自他の煩悩など、
ありとあらゆる邪・悪の存在を追い払う/消すというイメージです。
一応女子なんで(?)日々【憤怒の相】ではなく、
観音菩薩のようにニコニコと水のようにしなやかにしなければ・・・
と思いつつも、私はなぜか観音信仰には興味がない
/必要性を感じないので、
今後もボーボーと燃え(萌え)続けていくしかないです(笑)♪
明王堂は開いていて、中を覗くと、
いかにも「修行僧です!」という20代のほっそりした
若い男性が番をしていました。
「どうぞお参りください」と尼僧のような
澄んだ笑顔で受け入れてくださり、
靴を脱いて本堂の中でお参りをさせて貰いました。
![](/img/u43837/FI4010985_1E.jpg)
外も中もとにかく掃除が行き届いて、
若い修行僧はひたすら掃除という行を
されてはるんやなぁととても良く分かりました。
お線香を立てる場所に、ほんの少しだけ、
灰が落ちていました。
それに気づいたそのお坊さんは
「あ。すいません。せっかくですので、
気持ちよくお参りして頂きたいですので、
拭かせていただきます」とおっしゃり、
小さな濡れ雑巾で念入りに拭いてくださいました。
だけど、ちょっと緊張されて、
拭き方がうまく行かず(恐らく修行し初めてそんなに間がない)、
すいません、すいませんと何度もおっしゃっていました。
![](/img/u43837/FI4010985_2E.jpg)
別に、ほんのちょっとなので、知らんぷりしたり、
私が去った後でさっと拭いてしまいやん〜って思ったのですが、
さすが、千日回峰行のメッカで修行を
重ねるお坊さんだけあって、
やることや私たちお参りする人への
心づかいが徹底されていて、とても感動いたしました。
お参り後、来た道を戻ろうとすると、
明王堂の外に「何度も洗濯してます!」という
年季の入った白い作衣を着、
ほうきを持った別の若いお坊さんがいつの間にかおられ、
せっせと境内を掃き清めておられました。
こちらのお坊さんは30代の真ん中、
いかにも体育会系で「千日回峰行に憧れて来ました!」
という感じで、私の気を感じたらさっと私の方を向いて
「こんにちは!」と元気に挨拶して下さり、
またせっせと掃き清めておられました。
![](/img/u43837/FI4010985_3E.jpg)
別に今、掃かなくても十分綺麗やのになぁ。。。と、
ここでも思ったのですが、
さすが無動寺谷のお坊さんやなぁ。。。と
また更に感動いたしました。
(ここまで来る片道30分くらいの参道も
とても綺麗に掃除・管理されています)
娑婆がどんなに変化(へんげ)しようとも、
この無動寺谷の修行僧の風景は
昔から何も変わることなく継承されて来て、
数々の修行を通して、大阿闍梨という立派なお坊さんになられ、
衆生を救って行かれる存在になられて行かれるんやなぁ〜と、
悠久なる人間の叡智の一端を、
無動寺谷という一つの小さな谷間で観じることが出来ました。
![](/img/u43837/FI4010985_4E.jpg)