日 時 2020年8月20日(木)13時〜14時
世界最古の長編小説、紫式部の「源氏物語」にはさまざまな
謎がちりばめられている由。
そのようなミステリーいっぱいの「源氏物語」についていくつか
例をあげて解説をしていただきました。
まずは第1巻「桐壺」と第2巻「帚木」は、物語としてはつなが
りが不自然で、その間に失われた幻の巻があったのではという
お話しでした。
第1巻は当時の天皇である桐壺帝と桐壺更衣の間に光源氏
が生まれるも、桐壺更衣は光源氏が3才のときに亡くなりますが、やがて桐壺に似た藤壷が現れ、光源氏はこの人にあこがれの恋をするようになります。
第2巻に入りますと光源氏は葵の上と結婚、他にも浮名を流す貴人としして扱われており、あまりの急展開に疑問が生じるとのこと。
また以降においての具体的な疑問としまして、(1)朝顔へ恋歌を贈った記述がない、(2)六条御息所とのなれそめの記述がない、(3)藤壺との不義密通の1回目の記述がない・・・
等々からも、やはり幻の巻があったのではと思わせるのではとのことです。
因みに藤原定家は第1巻の次に「輝く日の宮」があったのではとしている由。
その他夕顔を殺したのは六条御息所の生霊か、屋敷に住みついている物の怪かのお話しもありました。