日 時 2020年8月29日(土)14時〜15時30分
ドイツの歌曲王フランツ・ベーター・シューベルト(1797〜
1828)の名曲の中から、歌曲集「美しき水車小屋の娘」に
焦点をあてたお話しがありました。
これは彼の歌曲集の中でも、「冬の旅」「白鳥の歌」と並ん
でシューベルト3大歌曲集と言われるものであるとか。
シューベルトは教師の父と元コックの母の間に生まれ、父
がアマチュア音楽家であったことから、音楽教育を受け始め
ますが、やがて父の手に余るほどの才能を発揮して、教会
の聖歌隊に預けられます。
そのおかげで貧しい彼には触れることができなかった良質な楽器で勉強することができたのだそうです。
さてこの歌曲の内容ですが、粉屋職人の若者(第1曲)がある水車小屋で修行することになり(第4曲)、そのうち水車小屋の親方の娘に思いを寄せ、娘もそれを受け入れて若者は有頂天になります。(第11曲)
やがて狩人が現れ(第14曲)、娘は狩人に心を奪われ(第15曲)、若者は絶望の果てに小川で死ぬことを考えます。(第19曲) 終曲(第20曲)は小川による「子守歌」です。
極論として、そもそも「水車小屋の娘」など居たのかで、当時の水車小屋は同時に旅籠兼酒場でもあったことから、「粉屋の女」はしばしば「不実な女」とも考えられる由です。
上記のような解説をお聞きしながら、その演奏も第1曲から順次映像で聴かせていただきました。