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 妻に対する依存度は人により違うでしょうが、役割分担はあったでしょう。そのパートナーを失うことは別離の悲しみだけでなく、生活を送る上で依存していた部分を失うことでもあります。たとえば家事を妻に任せていた夫は、料理、掃除や洗濯をすべて自分でしなければならないのです。包丁を握ったこともない、洗濯機の使い方もわからないという現実が降りかかってきます。喪失の悲しみのただ中にありストレスを抱えた夫が新しいことを覚えねばならず、そのために怒り、焦り、いらだつこともあるでしょう。たぶん「途方に暮れる」ということばが一番適当かもしれません。伴侶を失うダメージは女性よりも男性の方が大きいようです。

 わたしが担当していたNHK学園通信教育の講座でアンケートをとったことがありました。老前整理に興味をもったきっかけを尋ねる項目で「ひとり暮らしになった時のために」をチェックしたのは、男性が約10%、女性が33%で、ちょうど3人に1人の割合です。男性は10人に1人くらいしかそのことを考えておられない、もっともな数字だと思いました。

わたしの経験からすれば、多くの男性は平均寿命から考えても、自分が妻より先に、おさらばすると考えておられるようです。だから後のことは妻任せという風にも見えます。保険や相続などお金のことは考えていても、自分の「もの」にまでは考えが及ばないのも事実でしょう。

 つまり多くの夫は、妻を見送ることを想定していないのです。もちろん妻が病に倒れたり事故にでも遭えば考えも変わるでしょうが、日常生活に問題がなければ、妻は自分のそばにいるのが当然のようです。

 その妻が自分より先に旅立つと、夫にとっては予想もしていなかったことが次々起こり、「途方に暮れる」のです。

 この状態で妻の遺品整理を勧めてもうまくいきません。茫然自失の男性から、妻の遺品整理について「何をどうすればよいかわからない」という相談もありました。またこれから先、一人暮らしで自立して生活できるのかという不安にさいなまれ、目の前のことで精一杯で気が回らないのかもしれません。

 妻の七回忌や十三回忌がすんで、ようやく妻の遺品整理をしようという気になったという男性も少なくありません。気持ちの整理、心の整理がつかないと動けないのです。また、妻の持ちものに触るのがつらい場合や、衣類や生活用品をどう扱ってよいのかわからず、処分するのがよいのかどうかさえ判断できないこともあります。どこに何が入っているのかもわからない。何とかしなければと思うけれど、男のプライドなのか、妻のものを人に任せたくないのか、誰かに助けを乞うこともできない人が多いのです。

『老前整理の極意』2018年 NHK出版 ラジオ講座「こころをよむ」テキストより

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