「北のまほろば 青森旅⑪/十三湊遺跡(中世貿易都市)」

津軽海峡・龍飛岬から、雄大な日本海を眺めつつ、

美しい海岸線をレンタカーで颯爽と南下し、

十三湖に行きました。

昔は「とさこ」(元はアイヌ語)、

今は「じゅうさんこ」と呼ぶそうです。

十三湖は浜名湖と同じ汽水湖です。

十三湖と日本海が交わるところに十三湊があり、

そこにかつて安藤(安東)氏という一族が、

本格的な都市設計を施し、

一大貿易都市を築いていた!ということです。

今はただの湖に寒村のみ・・・

その遺跡案内の看板が立っていたり、

小さな資料館があるのみです。

司馬遼太郎先生の『街道をゆく 41 北のまほろば』を手に、

中世の面影がほぼない雨の十三湖を見渡してから、

十三湖の中にある小さな島(中島)にある

市浦歴史民俗資料館へ行きました。

地の利を生かして、ホウボウと貿易をし、

巨万の富を築いていた安藤氏ですが、

どうやら巨大地震&津波で壊滅的な被害を受け、

そこに今の岩手県北部と青森県東部を支配していた

南部氏が攻めて来て、

室町末期にこの一族は滅んだ・・・というか、

この十三湊を捨てて、本州のどこかの湊町か、

北海道などに逃げたのかも知れません。

で、そこを支配した南部氏は、

海上貿易にはとんと興味もスキルも無く、

その土地を支配したことのみ満足だったようで、

中世の一大貿易都市はそんな南部氏によって

地中深くへ眠りにつき、今は寒村となっています。

天を仰ぎ海を渡る中世の人たちのロマンが、

生命の息吹“ツワモノドモガユメノアト”が、

この静寂を守る十三湊の下で眠っているなんて、

そのギャップが何だかめちゃくちゃ凄すぎて、

とってもステキな歴史ロマンやと感じました!

●十三湖

http://www.go-kankou.jp/miru_manabu/ando.html

●市浦歴史民俗資料館

http://www.city.goshogawara.lg.jp/kyouiku/bunka/shiurarekimin.html?fbclid=IwAR1tQLQWbkAf7hiGCCRnGIp99vp7krzik7SrNJA9W2I2Eq8NktsXJsl7kds