日 時 2020年11月19日(木)11時〜12時30分
関西文化に育まれた文学として、上田秋成の「雨月物語」が
取り上げられました。
上田秋成は1734年に大坂・曽根崎に生まれた18世紀を
代表する大阪の文学者です。
彼の作品の特徴は「和文を駆使した怪異(例:ろくろく首・山姥
等々)美の極致」だそうです。
「雨月物語」は短編集で、5巻9話から成っています。
すなわち、巻1:白峰・菊花の約、巻2:浅茅の宿・夢応の鯉魚
巻3:仏法僧・吉備津の釜、巻4:蛇性の婬、巻5:青頭巾・貧福論 ・・・です。
今回はこの中から、巻2の「浅茅の宿」をメインに、巻4の「蛇性の婬」をサブとした内容でした。
「浅茅の宿」は、戦乱の世に一旗挙げようとする勝四郎(夫)が宮木(妻)に「秋に帰る」と都へ行き、結局7年後に死んで幽霊となった妻に再会する話しです。
また「蛇性の婬」は、豊雄(風流人)が蛇の化身である真女児(未亡人)につきまとわれるが、最後は寺の僧侶に救われる話しです。
なお宝塚歌劇では、「浅茅の宿」に「蛇性の婬」をドッキング・ミックスさせた脚本で演じられており、宝塚らしいメッセージを発信させています。
原作では主人公は突き放された感がありますが、宝塚歌劇では新たな旅立ちとしています。