むか〜し昔のことじゃったぁ。
(今日のブログは、日本昔話風にお読みください)
ある春の日に谷津守り人が田んぼへ田起こしをしに向かっていると、刷毛の道の先でカラスが何かをつついておった。そろそろアズマヒキガエルが卵を産みに林の方から出てくるころだなぁと思っていた谷津守り人は、とっさにカラスを追い払ったそうじゃ。そうしてよく見ると、やっぱりおなかの大きなアズマヒキガエルが水を張った冬水田んぼに向かってよいしょよいしょとあるいていたそうじゃ。冬水田んぼの中まで入るのを見届けて、谷津守り人は安心してその場を後にしたんだそうじゃ。
翌日谷津守り人が、その冬水田んぼを見に行くと、そこには今まで見たこともないようななが〜いなが〜いアズマヒキガエルの卵塊が生みつけられていたそうな。写真には写っていないがこの写真の範囲をカラスを恐れて逃げながら生み続けたのじゃろうかと思うくらい、広範囲をぐるぐると、ホースが巻きつくような卵塊だったそうじゃ。
その年以来、この冬水田んぼには毎年毎年たくさんのアズマヒキガエルが産卵に訪れるようになったそうじゃ。そして、生態系を支えるカエルが増えて谷津全体ももっともっと豊かな里山になったそうじゃ。
おしまい
-なんてふうに、将来語り継がれるかもしれない本当にあったお話です。
二枚目の写真は何重にも巻きついている卵塊。(水面が写し鏡になってよく見えませんが。)