過疎の村を劇的に活性化した公務員の方がいるのをご存じでしょうか?
能登半島のくびれのところにある富山県氷見市から山のほうへ昇って行くと「神子原(みこばる)」という集落があります。
以前は1000人以上が暮らしていた石川県羽咋市(はくいし)にあるその集落は、近年人口500人近くまで落ち込んでしまいました。
しかも、人口の半数以上が65歳以上の高齢者で、このままでは消滅する恐れがある「限界集落」になってしまったのです(ーー;)
そこでこの集落の活性化を任されたのが、市役所職員である高野誠鮮氏です。
彼はお寺のご子息で、お寺だけでは食べていくのは大変だと(笑)公務員になったみたいですが、人呼んで「スーパー公務員」なのです。
まず、この任務を遂行するに辺り、日本全国で過疎の村への移住を呼びかけた市町村が、果たして成功したか失敗したか、全部調査したそうです(@_@;)
なんでも、全国で114個あったそうですが、そのすべてに電話をかけて、どうしてうまく行ったのか、行かなかったのかをヒアリングしたそうです。
また彼は、この地域で行われていた自然栽培農法による米作りに注目し、なんとかこの米をブランド化できないかと考えます。
そんな折、「神子原」という地名を翻訳したら、神の子=キリスト、つまりキリストが住む高原という意味になることに気づき、なんと!バチカンのローマ法王に自ら手紙を書いたのです。
その後大使館を通じて献上が許され、「神子原米」は「ローマ法王献上米」として、一般的な米の2倍近い価格ながら全国から注文が殺到し、その秋に収穫したお米は、完売してしまいました。
さらにはそのお米で日本酒を造ろうと考えるのですが、その際にも、海外で人気の日本酒をすべてリサーチ。
外国人がどんな酒を好むのか、ネットの書き込みなどにも大量に目を通したようです。
その結果「ワインのようなお酒」が好まれていることが判明し、ワイン酵母を使った日本酒を造って話題となります。
どうです? 彼は米づくりも酒づくりも、決してプロではありませんでしたが、このリサーチ力と柔軟な発想力、そして行動力が「神子原」を救ったのです。
今の時代、経営者に求められているのはこんな感覚ではないでしょうか?