「お出かけファッションで街角デビュー」 <春の陽を背に受けて>

(写真は川西阪急2階入口、通路を奥へ進むとJR川西池田駅)->
2012年4月18日
「お出かけファッションで街角デビュー」
<春の陽を背に受けて>
 
 今年の春はいつもの年とはちょっと違った。ウグイスの初音も2週間ほど遅かったように思う。地方によっては梅と桜がほぼ同時期に咲いた。毎年この時期になると黄砂が降っていた。彼岸が過ぎても寒い日が続いた。春一番が吹かないまま温かくなるかと思いきや、4月に入ると台風並みの突風が日本中に吹き荒れた。

 春本番を迎えた今、お出かけには絶好の季節となった。とは言っても気になるのが、男の外出着。毎日が日曜日となってからは、服装にはとんと無頓着になった。外出する時も、すっかりマンネリ化して、ジャンパーとジーパンばかり。しかし、ここらあたりで気分一新、ちょっとオシャレして、さっそうと春の街に出かけたいものだ。

 ところが、手持ちの普段着を手に取ってみても、お出かけファッションのイメージが湧いてこない。サラリーマン時代は安全で、目立たない背広を着回すだけでよかった。退職した後は外出する機会も減り、手近にある普段着を何とはなく着るようになった。従って、服を着こなすとか、周りからどう見られているかなど、まったく意識しなくなっている。

 もともとファッション用語に疎く、「ファッションなんて」と見向きもしなかった。そんな不器用な男がちょっとオシャレをしたいと思う時、どんな服装で街へ出かけたらよいものか、ハタと困っている。自分好みで選んできたから、同じようなデザインや色の服ばかり。こと外出着に関しては、今まで無関心過ぎた。服選びの感覚は見事に錆ついている。

 これからは年齢(とし)を重ねていくのだから、体力の衰えは致し方ない。しかし、その衰えを少しでもカバーできるような身だしなみでありたいと願っている。孫たちにも、ちょっとシャレたお爺ちゃんとの印象も与えたい。年齢相応の地味な服装でよい。ただ、気持ちの若さを感じさせるような身なりでありたい。だから、カミさんにも服選びに付き合ってもらおうかと思っている。

(写真は3階まで吹き抜けのアステ川西のぴぃぷぅ広場)—>
 
 ところで、4月14日から始まった朝日新聞の連載記事、「男の流儀 粋を究める」(次回は4月28日)を担当することになったファッションディレクターの赤峰幸生さんはこう書いている。

 『戦後の日本は、ファッションの分野でも米国に強い影響を受けてきました。「ビジネススーツ」というのは米国の言葉です。日本でも、特に職場では、男は暗い色調の服を着て、できるだけ目立たないことがよしとされてきました。ただ、スーツを「作業服」として位置付ける、この考え方が、男性の没個性につながったのではないかと感じています。

 今、時代は大きく変わろうとしています。経済性を追うことは、我が国には限界が見えてきました。これからの日本人には個性や知性、創造力をより発揮することが求められます。その源になるのは「感動する力」ではないでしょうか。「こんな美しい服を着てみたい」、「自分らしい装いをして、気持ちよく過ごしたい」という情動が、人に感動を与える仕事にも通じると私は思います。

 日本には古来、「粋」という独自の概念がありました。私たち日本の男はもともと、粋の精神を追求するしゃれ者だったのです。服こそは文化の粋です。眠れる個性を目覚めさせる「流儀」を、これから一緒に考えていきましょう』。

 ところで、今までから服を選ぶのは苦手だったので、当然私には服を着こなすような感性はないと思い込んでいた。ところが、男の着こなしは感性ではなく、基本的な法則があるらしい。その法則を守れば、出かけたいと思う場所に相応しい服を選ぶことも可能になるという。となると、手持ちの普段着でも素敵に装えるかもしれない。そこで、男の着こなしについて、次に紹介させていただきたい。

(写真はアステ川西3階にある日本料理店)——–>
『「現役」続行術② 脱スーツ』
<基本おさえて楽しく>
2010年1月16日付け朝日新聞より引用

 「現役感」を演出するには、見た目も大事。男性の皆さん、退職してスーツを脱いだ後、普段着で自分をどう表現していますか。学生時代からファッション誌に親しみ、ジーンズやアイビールックなど、カジュアルファッションの洗礼を受けてきた団塊男性。

 「おしゃれへの意識は高いが、体形の変化で、いつしか『着られる服を着る』と、消極的になってしまっている人が少なくない」。中高年層をターゲットにしている京王百貨店(東京都新宿区)の紳士服・スポーツ用品部カジュアル担当の小堺文夫・統括マネジャーは、そう指摘する。

 「普段着イコール、ゴルフウエアという人は多いが、旅行や美術館めぐりなど、したいことを思い描いて服を選んで」とアドバイスする。例えば旅行なら、軽くてしわになりにくい素材でポケットが多いものなど、機能性で選んでみる。

 自分ではつい、似たテイストのものになりがちだが、「女性に選んでもらえば、自分の新たな一面が引き出されます」と小堺さん。「友達夫婦」のはしりの団塊世代こそ、妻同伴の買い物を勧めている。とはいえ、何ともしがたいのが、加齢に伴う体形の変化。ジーンズをはきたいが、おなか回りがきつくて、という人はどうする?

◆素材や縦ラインで体形カバー
 一般男性のパーソナルスタイリングを手がける澤田まさきさんの答えは、「伸縮性のある素材が入ったジーンズをジャストサイズではくとすっきり見えます」。全身をスラッと見せるには、縦のラインを強調し、横のラインを隠すのが鉄則という。シャツとパンツを同一系色でまとめたら、色の縦ラインを遮るベルトは隠す。ストールも縦ラインを強める小道具になる。パンツのすそは、ダブルよりもシングルの方が脚長に見える。

 そもそも普段着が少ないという人に澤田さんが勧めるのが、九つの基本アイテムだ。①紺のブレザー、②トレンチコート、③カシミヤのセーター、④白のシャツ、⑤ポロシャツ、⑥スラックス、⑦チノパンツ、⑧ジーンズ、⑨ひも付きの革靴。「シンプルなアイテムだけに、年齢にふさわしい上質なものを選んでほしい。この基本を押さえれば、後はあまりお金をかけずに着回せます」。

 体形が変わっても、もちろんおしゃれは楽しめる。三井物産広報部次長の高西伸兒(しんじ)さん(58)もその一人。1月に都内で開かれた、中高年向きに勉強会などを企画する会員制組織、「club willbe(クラブ・ウィルビー)」の新春の集いには、黒のコーデュロイジャケットに黒のレザーパンツ、黒とブロンズ色のストライプのシャツにブロンズ色のブーツで参加した。

 体重は入社時から14キロ増えた。「シャツのすそを出して、おなか回りをカバーしています」とはにかみながらも、「縦ライン」の基本を押さえている。夜はジャズボーカリストとして活動する高西さん。「おしゃれは人生のスパイス。ずっと楽しんでいきたい」と話す。(前田育穂)

◆中高年男性のファッション
 ①セーターは襟元にアクセントを。ヘンリーネックやジップアップがおすすめ。下に着る柄物シャツとの色を合わせ、おしゃれ度をアップ
 ②50歳を過ぎてからのワイシャツ選びは、オン・オフ兼用の発想を。ボタンダウンの柄物、白でもオックスフォードや地柄の物ならカジュアルとしても使いやすい
 ③差し色としてストールを巻くと、顔映りが良くなり、縦のラインも強調されてスマートに見える

◆「現役感」演出のポイント
 ①無難さから、くすんだ色あいの服を選びがちだが、万人に似合うとは限らない
 ②太めが気になる人は、チノパンツやシャツは厚地の物を。体形があらわになりにくい
 ③ジャケット外側の胸ポケットに、万年筆や革手袋などの小物を入れ、さりげないおしゃれを
 ④眉毛をカットすると、顔立ちがはっきりする
 ⑤眉毛が薄くなってきたら、太めのプラスチックフレームの眼鏡などで、強い印象の顔立ちを演出
(澤田まさきさんのアドバイス) -了-