日 時 平成24年4月27日(金)
場 所 神戸女学院
講 師 浜下昌宏氏(神戸女学院大学名誉教授)
イタリアはトスカーナ州のフィレンツェのウフィツィ美術館
には、初期ルネサンスの画家・ボッティチェリの「プリマヴェ
ラ(春)」と「ヴィーナス誕生」が展示されています。
前者は中央に愛の女神・ヴィーナスを配し左に美を構成
する喜び・慎み・輝きを現す三美神が描かれています。
絵の解釈は、美術史から見るかや鑑賞者から見るか、はたまた思想背景から見るかにもよるようです。
また後者は、女神ヴィーナスが成熟した大人の女性として
海より誕生し、西風に乗って岸に吹き寄せられ、季節の女神
が花の外套を差し出しています。
前者が両性から生まれた万人のヴィーナスなら、これは正に
天上のヴィーナスと言えるでしょう。
名画をこうして鑑賞していますと、解釈などどうでもよくなって
きますから不思議ですね。