津災から何を学ぶか

日 時 平成24年5月29日(火)
場 所 西宮中央公民館
講 師 佐々木 理氏(西宮教育委員会)
 東日本大震災の支援として、氏は関西広域連合の要請のもと、
ピンポイントで南三陸町を担当することとなり、現地へ4回も足を
運ばれた経験から、様々な教訓や問題をお話しくださいました。
 南三陸町は、あの震災時に女性職員が最後まで住民の避難を
放送し続け、ご本人はついに津波にのみ込まれた悲劇の町です。
 元々「南三陸町」は「志津川町」と「歌津町」が合併して出来た町で、役場は志津川に、その出張所は歌津に置かれていました。
 しかしこのような行政区画の結果、志津川にはいち早く医師団やボランティアが入り、電気も早く復旧しましたが、歌津には保健師が数名張り付いた程度で、明暗が分かれました。
 南三陸町は、明治以来4度も大きな津波に見舞われたことから、避難に関しては日頃から意識が高く、先頃開かれた「ぼうさい甲子園」において、釜石小学校の奇跡が紹介されました。
 同校は震災時は、短縮授業で児童は下校途中でしたが、日頃からの訓練と町中に貼りめぐらされた避難マップにより、全員が避難して助かったとの報告がなされています。
 「絆」とは、日常の中にあるもので、エゴを捨てた時に見えてくるものであり、「命」とは、何よりも大切なもので、命を救うのは日常生活の中の学びにあると締めくくられました。(写真は震災直後の南三陸町)