港まちのスイーツ文化

日 時 平成24年5月30日(水)
場 所 池田泉州銀行講堂
講 師 村上和子氏(神戸山手短期大学教授)
 兵庫県豊岡市にお菓子の神様(菓祖)を祀る中嶋神社があり
ますが、これは第11代・垂仁天皇の時代に田道間守(たじまも
り)という人が天皇から身体に良い食物を見つけ出すようにとの
命令を受け、はるか済州島から非時香里(ときじくのかぐのみ:
橘のことで最上級のお菓子)を持ち帰ったが、命令を出された
天皇はすでに亡く、残念がったとの古事からその田道間守を祀ったのがこの神社であるとか。
 中嶋神社の名の由来は、田道間守のお墓が垂仁天皇陵の池の中の島にあったことから、このように命名されたようです。
 その兵庫県の県庁所在地である神戸市は、1686年(明治元年)に開港されるや、モダンな外国人居留地が出来、条約締結先の諸外国(ドイツ・アメリカ・・・)からハイカラな物が次々と流入されて、その中に小麦で作られたスイーツ等もありました。
 神戸には有名なスイーツ店が数多く存在しますが、たとえば、ユーハイムは元々横浜で開業していましたが、関東大震災に遭遇して神戸に避難してきましたし、モロゾフはロシア革命の影響で中国経由で神戸にやってきて住みつき、開業したものです。(写真は神戸で開業時のユーハイム)
 開港による他、偶然の関東大震災やロシア革命によって、スイーツ文化を開花させたとも言えます。