遺産登録が和食離れを止めることができるか?
「和食」世界に発信 無形文化遺産に申請 5月1日の読売新聞より転載。
「WASHOKU(和食)」を世界の無形文化遺産にしようと、日本政府は国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)に登録を申請した。
海外で、和食の人気は定着しており、登録に向け期待がかかる。国内では和食離れが進むが、歯止めをかけるきっかけになるだろうか。(生活情報部 小坂佳子、竹之内知宣)
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無形文化遺産とは:
ユネスコで採択された「無形文化遺産の保護に関する条約」(2006年発効)に基づき、年に1回、政府間委員会が審査し、登録を決定する。
芸能や社会慣習、祭礼行事、伝統工芸技術など具体的な形を持っていないものを対象とする。
日本からは能楽や京都祇園祭の山鉾(やまぼこ)行事など20件が登録されている。
食の文化も対象で、「フランスの美食術」など4件が登録されている。
▽フランスの美食術
出産や結婚、誕生日など生活のなかで最も重要な時を祝うための社会的慣習。
特定の料理ではなく、よりおいしく食事をする美食の慣習
▽地中海料理
(スペイン、ギリシャ、イタリア、モロッコ)魚介類、麦類、乳製品、野菜をバランスよくとり、オリーブオイルを使った健康的な食事
▽トルコのケシケキの伝統
結婚式や雨ごいなどの儀式におけるケシケキ料理(麦かゆ)にかかわる社会的慣習
▽メキシコの伝統料理
儀式や祝祭での伝統的メキシコ料理にかかわる社会的慣習
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◆官民あげて
3月の申請に合わせ、日本料理や食品産業の関係者が発起人となった「日本食文化のユネスコ無形文化遺産化推進協議会」が発足するなど、登録に向けた官民あげての取り組みが始まっている。
米国ニューヨークのメトロポリタン美術館で、4月14日に行われた和食をPRするイベントもその一つ。
京都の老舗料亭「菊乃井」主人の村田吉弘さん(60)らが、「桜の宴」と題して、グジの蒸し物、ちらしずし、ゴボウのすり流しなど11品を供し、米国人約90人が美しい盛りつけや繊細な味わいを楽しんだ。
「和食が世界に誇れる文化であると確信しました」と村田さん。
海外ではいま、和食の人気が高まっている。
フランスでは、みそやしょうゆだけでなく、ワサビやユズ、昆布などを使う一流シェフもいる。
海外の和食店も増加している。日本貿易振興機構(ジェトロ)の2010年の調査によると、米国にある和食店数は1万4129軒で10年前の2倍以上に増加。
フランスで約1000軒、英国でも500軒以上の和食店があるという。
和食を目的に訪日する外国人観光客も多い。
日本政府観光局が10年に行った調査によると、外国人観光客が訪日前に期待したことで最も多かったのは「食事」(62.5%)。
滞在中に特に満足した食事の1位は「すし」(44%)だった。
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写真はたけのこと豚肉の炊き込みご飯です。
炊き込みご飯を関西ではかやくご飯というようですね。
母方が京都なのでよく母が「かやくご飯」作ってくれました。
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次に続編