前回の続きです。
◆「すし」ではなく
海外で評価が高まってきた和食だが、今回の無形文化遺産に登録を申請した「和食」は、すしや刺し身などの個別の料理を指すのではないという。
「ご飯にみそ汁、お浸しや煮魚などのおかず、漬物で構成された食事のこと。
一汁三菜を基本とした、日本の家庭の食事をイメージしてください」。
登録に向けた国の検討会の会長を務めた熊倉功夫・静岡文化芸術大学学長は、こう説明する。
申請に際して、検討会では和食の特徴も整理した。
高級料理から家庭料理まで、地域にかかわらず共通している部分をまとめたという。
たとえば、だしを使うなど食材の持ち味を引き出す調理、米を中心にした栄養バランスのいい食事構成などだ。
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政府がユネスコに申請した「和食」の特徴
一汁三菜のバランス・・・美しい盛りつけ
▽「自然の尊重」という精神にのっとっている
▽だしを使うなど、食材の持ち味を引き出す工夫が発達している
▽みそやしょうゆ、日本酒など風土に即した発酵技術が発達している
▽米、みそ汁、魚や野菜などのおかずによってバランスよく食事が構成されている
▽動物性油脂を多用しない
▽料理に葉や花をあしらい、美しく盛りつける表現法が発達している
▽季節感を出すため、季節にあった食器を使い、部屋のしつらえをする
▽正月や田植えなどの年中行事と密接に関連している
▽食事の時間を共にすることで家族や地域コミュニティーの絆を強めている
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◆信頼回復の期待
登録の可否は、早ければ2013年11月に決まる。昨年は、韓国が申請した「宮中料理」の登録は見送られるなど、狭き門でもある。
自治体も普及活動を行う。老舗の日本料理店が多い京都府では、今秋に日本料理文化博覧会(仮称)を開催し、
和食に関するシンポジウムや試食会を開く予定で、和食の研究者を育成する「高等教育機関」の設立も検討中だ。
食品関連の企業は、海外でのPRイベントを計画している。
東京電力福島第一原発の事故で、日本の農林水産物の輸出が減少するなどの影響が出たこともあり、
「味の素」の山口範雄会長は、「遺産登録が実現すれば、日本への信頼が回復し、観光の振興、食品産業や農業のグローバル化など様々な分野への波及効果がある」と期待する。
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写真はちょっと前の日本の朝食メニューです。
今の若い人は味噌汁をあまり飲まないようですね。
現代風にミソスープでアレンジしていけばいかがでしょうか?
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