日 時 平成24年5月31日(木)
場 所 宝塚医療会館
講 師 田中勇三氏(宝塚医師会)
氏は講演にあたり、「老いとは・・」と問いかけられました。
これは本来は年を重ね、身体の機能が減退していくことでしょ
うが、他方の見方としまして、時間の経過によって老けるのでは
なく、心の持ちようによって老けるものであるとも言えます。
さて、この加齢による病いのひとつに認知症があります。
認知症の定義は、「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が、慢性的に衰退・減退することで、日常生活や社会生活に支障をきたす状態。」と説明されました。
この認知症は、老人(65才以上)では8.5%が、85才以上では実に27.3%の人が該当しているとかで、今後さらに寿命が延びることにより、もっと増加するであろうとのことでした。
この主な原因は脳の老化で、①大脳皮質の萎縮、②細胞の脱落、③動脈硬化等々です。
またその症状はと言いますと、記憶障害・脳機能障害・幻覚妄想・錯覚・暴言・暴力・徘徊・意欲や気力の喪失・失禁・・・です。
これらは加齢によるものがほとんどですが、それでも規則正しい生活・適度な運動・減塩等の食事・興味や意欲を持つこと等により、ある程度の予防はできます。
現在のところ治療に特効薬はありませんが、「最良の治療は、最良の介護」にあると言えそうです。