琉球王朝の歴史と文化

日 時 平成24年6月15日(金)
場 所 園田学園女子大学
講 師 松山利夫氏(平安女学院大学教授)
 琉球は現在の沖縄のことで、地理的には同じですが、文化と
なると多少違いがあるようです。
 一番の違いは、琉球時代は宗教における女性の優位性があ
りましたが、沖縄となってこれが完全に消滅したことでしょう。
 政治的にも琉球は独立国家でしたが沖縄は日本の一部です。
 ただ琉球は歴史的には、400年近く(1429〜1879)続いた国家で、日本の時代で言えば室町中期に建国され、明治になって日本に併合された名門と言えます。
 琉球は当初、北山・中山・南山の三勢力に分かれていましたが、中山が1372年に中国に入貢(従属的通商関係を結ぶ。)し、続いて北山・南山も入貢したため、ついに統一王朝になったもので、版図(領域)は北は奄美大島から南は与那国島まででした。
 因みに日本に例えれば、おおよそ東京を中心として東北の仙台から四国の高松までの広大な海洋国家になったということです。
 ただこれと言った産業はなく、中継貿易を基盤としていましたが、1609年に薩摩が侵攻してきて、中国(清)と日本(薩摩)の2重支配を受けるようになり、明治維新後武力で日本の一部となりました。
 明治政府が事を急いだのは、中国が琉球の領有権を主張しはじめたからだとも伝えられています。