『伝統を持つ香りの芸術』〜香道入門〜

(%紫点%) 前期講座(文学・文芸コース)(3月〜7月:全11回講義)の第9回講義の報告です。
・日時:6月21日(木)午後1時40分〜3時40分
・場所:すばるホール(3階会議室) (富田林市)
・演題: 「伝統を持つ香りの芸術」〜香道入門〜
・講師: 神垣 裕香(かみがき ゆうこう)先生(泉山御流 南大阪支部長)
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(%エンピツ%) 「香道入門」
1.日本人とお香の係わり
・仏教伝来と香木…仏教伝来とともにわが国伝えられたお香。(古代にはお線香はなく、香木を焚いて仏様にお供えをした)
・平安時代…貴族の間で、生活面で香りを楽しむようになる。(「空薫(そらだき)といって各種香料を配合した「薫物(たきもの)」を部屋で焚いたり、衣類に香りの匂いを沁み込ませたりした。)→「源氏物語/梅枝の巻など」、「枕草子」
・鎌倉〜室町時代… 「組香」(くみこう) (お香は優雅に聞き、ゲームを楽しみながら有職故実[貴族生活の教養=歴史・芸術・和歌・古典・宗教にわたる広い一般教養]を身につける)
・茶人と香人…室町時代には茶人即香人、香人即茶人で、茶と香が同一の場所「会所」で楽しまれた。
・香木の種類… 《白檀》 (びゃくだん)(インド・インドネシア・マレー半島を原産)、 《沈香》(じんこう)(インドシナ・マレー半島・インドネシアを原産)、 《伽羅》(ベトナム原産)⇒ “お香の原料は日本には無い”

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2.香を聞く…「聞香」
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・右の写真は、神垣先生の指導で、香の聞き方
の練習をしているところです。
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・香道では、 “香を聞く” 、といいます。⇒「聞香」(ききこう、もんこう))
・「聞香炉」(ききこうろ、もんこうろ)…筒型の小ぶりの香炉には、灰が山形に整えられ、小さな炭団がその中に仕組まれています。炭火の熱の当たりを和らげるため、銀葉(雲母板)で隔てられた上に、ごく小さく切った香木を載せます。
・三つ注意事項…①三息(三回だけ聞く) ②香炉を傾けない ③香炉を次客に送るときは手渡ししない

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3.「組香」(くみこう)
・「組香」…それぞれ味わいの違う香りを愉しみ、その異同をあてるというゲームで、組合せは、千数百種類。

〈今日の主題「七夕」…星合香
*右の資料をご覧下さい。
・香は三種。→試香(牽牛、織女)二種を聞き、次に本番五包[試香二種(二包)+あだ星香一種(三包)]を聞きます。(五包のひとつひとつの香りを鑑賞し、参加者はその香りの異同を判別し、正解数を競うものです。)

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・抽選で11名の受講生が、香木の香りを聞き分けました。
・各自は、一つめから五つ目の○(マル)の中に、何番目と何番目
に試香(二種)があったかを印をつけます。
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4.結果報告
・各自は、短冊に五星を書き、試星(二種)を印します。
・それをもとに、執筆役は組香の記録を書きます。
・【結果】11名の参加者で、3名が正解でした。
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*右の写真は、執筆役が書いた組香の記録をもとに、
結果発表です。
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(%エンピツ%) 「香道」初見聞録
「香道」は全く初めて見ました。・・・”聞香炉の構造(小さい炭団、銀葉という薄い雲母の板)”、”香木の原産地(日本には無い)”、”「組香」というゲーム”など…すべてが知らないことばかり。それが新鮮で、普段と違う雰囲気を味わいました。

○次回の香道入門partⅡは、11月15日(木):富田林市・寺内町 旧田中家住宅で行う予定です。