笑いの哲学と思想

日 時 平成24年6月23日(土)
場 所 神戸女学院
講 師 大橋完太郎氏(神戸女学院専任講師)
 「笑い」とは何でしょうか。
 失敗した時の苦笑も、ほほえましい時の微笑も笑いには違い
ありませんが、主にはおかしさを感じた時に笑いは生じます。
 これを哲学的には、①優越説、②不一致説、③解放説により
説明されているのだとか。
 ①は、自分が優位にあることを突然知った時で、この場合は笑いは他人への攻撃にもなります。
 ②は、笑うためには意外性が必要で、期待を裏切る意味のつながりや展開があった時で、だじゃれや突飛な行動がこれにあたります。
 ③は、衝撃が抑圧を一時的に解かれて解放された時で、下ネタのようにタブーになっていることを口にした時等のことです。
 こうして見ていきますと、「笑い」とは「感覚なのか、判断なのか。」「高尚なのか、低俗なのか。」等、疑問が生じますが、これは前述の3種類の説だけでは説明しきれないからでしょう。
 箸が転んでも笑う人もいれば、何があっても笑わない人もいますので、これは個人差のみならず、文化・教養・境遇・価値観・年齢等々によっても違うのだと思われますが、何はさておき、「笑い」が生活をするうえでの活力になれば幸いだと思います。(写真は笑う世俗の王・ルイ9世)