日 時 平成24年6月26日(火)
場 所 伊丹中央公民館
講 師 草郷孝好氏(関西大学教授)
ブータンと比較しての日本のGNHについてお伺いしました。
日本でも内閣府によって「幸福度調査」が行われており、その
結果は平成21年度で10段階中6.5点だったそうです。
日本は戦後の目覚ましい経済発展により、GDPは1人あたり
50万円(1955年)が50年で400万円(2005年)になりました
これにより、雇用の創出・高度な教育・長寿社会等を実現し、成果を上げてきましたが、一方 生活満足度は64.2%(1984年)をつけてから下降して39.4%(2005年)にまで下がりました。
このように経済成長を遂げて先進国の仲間入りはしたものの、生活への満足度・幸福度は比例せず、自殺者も多く出しました。
ある程度のレベルに達すると、自分の満足度ではなく、他者との比較になる結果かもしれません。
他方 ブータンは決して豊かな国ではありませんが、国民の幸福度は実に97%なのです。
このような結果は、同国の国づくりの方針(4つの柱)にはっきり出ております。
すなわち、①公正な経済発展(格差を生まない)、②環境の保全(自然との共生)、③文化の保存(伝統を大切に)、④よい政治(住民が意思決定に関わる)です。
日本ではこれに、⑤利他の精神(他者の利益)を加えれば幸福度は向上するのではとのことでした。