第27回 千里コラボ大学校を開催致しました。

第27回 千里コラボ大学校を9月8日(土)に開催致しました。

オープニングは恒例の加福共之さんの解説に、川上時子さん
のピアノ演奏。二人の宮廷音楽家、ウィリアム・バード作
「ソールズベリー伯爵に捧げるパヴァーヌ」と、ジャン・
バティスト・リュリ作、「ロンドの形をしたガヴォット」。
夏の心と体の疲れを癒してくれるこの2曲は、会場全体が
心地よい雰囲気に包まれていました。

講演は「絵を描く」と題して、橋本学夫さんに語って
頂きました。

橋本さんは、同志社大で電気工学を学ばれ、電気メーカー
に就職されました。日本の高度成長を支えた戦士として、
ご多分に漏れず早朝から遅くまで会社で働き、帰宅後も深夜
まで論文を書き、また特許出願という生活を、25年間続け
られたそうです。

絵画は53歳の時、会社の近くの朝日カルチャーセンターで、
人体を描くところから始められました。人体は子供が見ても
おかしいところが判るので、デッサン力をつける絵画の基礎を
ここで学びました、と話されました。
 静物の「りんご」を描く時、形だけでなくその味が描け
られなければダメ、とのことでした。デッサン力とその
被写体から感じるその心を描くことが必要、とのお話は
印象深いものでした。

絵は感動によって描かれる。綺麗な女性を描きたくなる、
描きたいという欲望の刺激が強い程、満足する結果が得られる、
とのことでした。また、「ありのまま描く写実は、写真を撮れば
よい」の説明に、多くの受講者は心を癒されたことと思われます。

 描き始めた頃から最近の作品迄、画面に写し出して解説
して頂きました。最初は被写体を忠実に描いて、途中から
自分の印象を入れていくことにより、自分の気に入った絵が
生まれるとのお話は、多くの受講者の共感を得たように
思われました。

 2008年ご自身が設立された、青山台絵画倶楽部は本年
12月7〜9日、コラボ多目的スペースで展覧会を予定して
おられます。多くの方々が鑑賞されることでしょう。

絵を描く心を大変判り易く説明して頂き、好評理に
講演は終了しました。

 最後は恒例により、千里図書館司書の浅尾知弘さんによる関連
図書の紹介をして頂きました。
 橋本さんが、好きな画家と講演の中で紹介された三岸節子
さんや猪熊弦一郎さんの図書等をご準備頂くともに、絵の描き
方やスケッチに関する図書などを紹介して頂きました。

 (原田)